収穫祭は忙しい3
アルトが監禁されていた部屋を見ると部屋の隅に気絶した豚が…じゃなくて、主犯と思われる大司教らしき物体が伸びてたから簀巻きにして逆さ吊りにして放置した。ちゃんと魔法で作った鎖でしたから壊れたりはしないはず。その後すぐにアルトを連れて外に出た。自動マッピングがあってよかった……。やけに複雑な道だなぁとは思ったけど自動マッピングなかったら確実に迷子になってたわこれ。
「ルーチェ!」
最初に神官〆た辺りに出た所でジルが走ってくるのが見えた。そのかなり後ろの方には騎士らしき人達もいる。ちゃんとお使いできたんだ。
「ちゃんとお使い出来たんだ。偉いえr」
「怪我はないか?無理はしてないか?」
「大丈夫だよ。ここ雑魚しかいないし」
「そうか、よかった」
あの、私の言葉遮ってまで心配してくるのは有難いんだけどさ、抱き締めるのは今はやめようか?私アルト抱っこしてるんだけど。
「くるしい…」
「ちょっとジル離して!?アルト潰れる!!」
「あぁ、いたのか」
アルトが潰れない程度に力を緩めてくれた。うん。ここで離れないのがジルだったね。
「アルトも怪我はないか?」
「うん」
「そうか」
そう言ってアルトの頭を撫でるとアルトも大人しく撫でられている。仲良くなったなぁ。
「無事を確認しているところ申し訳ないが状況を説明してほしいのだが」
そういってこっちに来たのは騎士団ちょ…………騎士団長!?
「えっ………と、なぜ騎士団長様がこちらに?」
おいおいおいおい、確かに王様に話して来いって言ったよ?騎士も来るかな〜って予想はしてたよ?だけどさ、なんで騎士団長連れてきてんの!?なんで騎士達のトップ連れて来ちゃってんの!?
「相手が神殿だからな、私が出た方が都合がいいのだよ」
「はぁ…そうなんですか………」
なんかはぐらかされた気がするけど聞くの面倒だしいっか。……はっ!騎士団長いるってことはまさかあのアホも?
「今回愚息は連れて来ていないから安心してほしい。あれをこういった案件に連れて来る気はない」
すぐに周囲を警戒した私に気づいたのだろう。騎士団長は頭が痛そうにそう言った。うん、よかった。ここでまた騎士道騎士道言われたらうっかり殺っちゃうかもしれないしね。
「それで、この状況について説明してほしいのだが」
あ、そうだった。
「今朝神殿から私の弟のアルトを拉致したと言う脅迫文が届いたのでジルに陛下への伝言を頼んだ後乗り込みました。まず逃げられないように周囲を氷の檻で囲みました。その後中に乗り込み警備兵を蹴散らしていると神官らしき人物が出てきたので尋も…少し話をしてアルトが監禁されている部屋まで案内してもらいました。そこでアルトが魔力を暴走させていたので落ち着かせました。部屋の隅に豚…じゃなくて主犯の大司教と思われる物体を見つけたので簀巻きにして逆さ吊りにした後、ジルと合流する為にこちらまで戻って来ました」
「……そうか」
何故にちょっと顔が引き攣ってるんだろ?疲れてるのかな?サブマスったらどんな脅しをしたのやら。
「アルト君が監禁されていた部屋まで案内して欲しいのだが」
「わかりました」
周りを見るとさっきの神官が柱の影からこちらを見ていた。目が合うとビクリとして逃げようとしたので目の前に氷柱を落としてやった。
「何逃げようとしてんだ?さっき言ったよな、騎士達を案内しろって。逃げる暇があるならとっとと案内しろ」
「は、はい!」
笑顔でお願いしたらいいお返事をしてこっちまで走ってきた。うんうん、素直なのはいいことだね!
「これが監禁場所まで案内しますのでついて行ってください」
「あ、あぁ」
なんかさっきより顔が引き攣ってるような?後ろの騎士さん達もどしたんだろ?顔色悪いぞ?
「では、私達は一度家に帰りますね。後程サブマスの所に行くので何かありましたらそちらまでお越しください」
「あ、あぁ。気をつけてな」
心配してくれた騎士団長に会釈して帰った。家に着く頃にはアルトはぐっすり寝ていた。両親やお店の皆に心配されたがアルトの寝顔を見せたら皆安心していた。ベッドにアルトを寝かせてから両親に何も言わず一人で乗り込んだ事を怒られたけどまあそれは些細なことだ。




