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収穫祭は忙しい 2

 神殿についたら早速周囲に氷で檻を作った。これで取り敢えず逃げにくくなるだろうし野次馬も寄ってくるだろう。地下とかに隠し通路があった場合は仕方ないけど地上からは逃げられまい。

「なんだこれは!?」

 異変に気づいたらしい警備兵が出て来た。ちょうどいい。

「こんにちは!神殿の馬鹿どもが私の大切な弟を誘拐しやがったので返してもらいに来ました!」

 出来る限り大声で叫んだ。周囲の人や礼拝に来ていた信者とかにも聞こえてるよね。

「なんのことだ!?」

 警備兵は驚いた様に叫ぶ。ん〜これはどっちかな?周囲に無関係と思わせるための演技?それとも本当にこの警備兵は知らない?……ま、どっちでもいっか。

「脅迫状を送って来たくせに白々しい。あ、そうそう、このことは城にも伝えているので暫くしたら騎士達が乗り込んでくると思いますよ〜」

 そう言うと野次馬達はざわめき出す。警備兵も狼狽えているようだ。

「無関係ならそこで大人しくしてろ。邪魔したら殺す」

 それだけ言ってついでに足を氷漬けにして動けなくしてから神殿に入った。


 ここに来るのも久しぶりだなぁ。利用しようとしやがった馬鹿ども〆た時以来だから五年ぶり?教会と違って内装豪華だなぁ。確か貴族や王族は十歳の祝福は神殿で受けるんだっけ?教会で祝福を受けた平民の私が光属性だったからさぞ悔しかっただろうねぇ。神殿で祝福を受けていたら色々口出し出来たのに、みたいなことを昔言ってたし。それ聞いたから「あ、こいつら私を利用する気なんだ」って確信持てたんだけどね。これもし私が神殿で祝福受けてたら国に報告せず自分達の言いなりになるようにされたんだろうなぁ。


 そんなことを考えながら手当たり次第に警備兵をボコっていたら奥から白いローブをきた男がやってきた。確かあれは神官の制服だったはず。

「おや、聖女様ではありませんか。やっと神事に参加して下さる気になりましたか」

 にこにこ笑顔で白々しくのたまったのでつい

「黙れクズ」

 顔面に拳を叩き込んでしまった。いけない、気絶しちゃったらやばいじゃん。

「い、いきなり何を!?」

 あ、よかった意識ある。これでお話(尋問)出来るね☆

「やだなぁ、白々しいにも程がありますよぉ」

 尻もちをついた神官の髪を鷲掴む。

「テメェらがわたしの可愛い可愛い弟拉致して人質にしたんだろうが。勿論無事なんだろうな?もし少しでも怪我してたら跡形もなく神殿破壊すっぞ」

「ひっ」

 ちょっとお話しただけなのに悲鳴上げるなんて酷いなぁ。

「で、アルトはどこ?」

「え、」

「だから、私の弟はどこだっつってんだよ」

「だ、大司教様のところです!」

「案内しろ」

「は、」

「そこまで案内しろって言ってんの。それともなに?馬鹿ども炙り出すために神殿破壊しながら虱潰しにしたほうがいい?」

「あ、案内します!」

 手を離すと慌てて立ち上がり案内をし始めた。



「この奥にいらっしゃいます」

 ぐねぐねとややこしい道を長々と通った先に大きく頑丈そうな扉があった。これは壊しがいがありますなぁ。

「そう。じゃあ次は表に戻ってやってきた騎士か私の婚約者を名乗る同僚もしくはギルドのサブマスをここまで案内しろ。出来なかったらわかってるよな?」

 手のひらに作った拳大の氷を握り潰しながら言うとコクコクと必死に首を縦に振った。

「わかったならとっとと行け」

「はい!!」

 走り出したのを確認してすぐにアイテムボックスから大剣を取り出す。これは前世のゲームで作ったやつだ。創造魔法でどの位までの強度の剣が出来るか試そうとしたら強度だけでなく破壊力もとんでもないことになった為にアイテムボックスに死蔵していたものだ。この世界で使う気はなかったけど別にいいよね☆

 てなわけで、はいドーン!

 扉目掛けて振り下ろすとすぐにバラバラになって砕けた。剣って斬るものなのに何故か当たってないところまで砕いちゃうんだよねぇ。それに関してはマーリンがふざけてバフ盛りまくったせいだから私のせいではない。


「アルト!」

 扉の残骸の上を通って部屋に入るとそこは神殿とは思えない程に荒れていた。

「おねぇちゃん!」

 部屋の中央で座り込んだアルトが泣きながら私を呼んでいる。近づこうとすると何かに弾かれた。

「どうしようっ、まほう、とまんないの」

 魔法が暴走してるの!?てことはこの惨状はアルトの魔法?よく見ると家具は何かで切り裂かれた様になっているし壁や床にも似たような跡がある。さっき私を弾いたのも魔法か。

「大丈夫!今お姉ちゃんが止めてあげる」

 部屋全体に封魔結界を張る。これでこの部屋では私以外の人は魔法が使えない。これによって、アルトは魔法という形にすることが出来ず魔力も放出されたらすぐに掻き消されるようになった。後はアルトを落ち着かせれば治まるはず。

「ほら、もう大丈夫だよ」

「おねぇぢゃん」

 安心させようと抱き締めると力一杯抱き着いてきた。

「ごめんね。怖かったね。もう大丈夫だからね」

「うん…」

 震えながらしがみついてくるアルトを撫でながら怪我がないか確かめる。鑑定しても怪我はしていないようだからほっとした。よかった。いや、よくはないけどね?めっちゃ怯えてるし。取り敢えず元凶〆る前に安全な所に連れていきますか。

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