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拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
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【077】ご説明します!

 翌日。


 朝食の席では気まずい空気が漂っていた。


 ティターニアは静かに野菜をパクパクしているし、センは大人しくスープを飲んでいて、ツクヨミは固いパンをガジガジしている。


 別に普段と変わらない。


 けれど、俺はチラチラとエディナへ視線を向けてしまうし、エディナは目が合うとサッと視線を逸らす。


 うーむ、困った。意識され過ぎても辛い。


「……あの、エディナ」


 俺が言いかけるとエディナはバンッとテーブルを叩いて立ち上がる。


「私! そろそろ決闘に行かなくちゃ!」


 いやいや、まだ決闘の時間まで三時間もあるじゃん。


 どんだけせっかちさんなんだよ。


「じゃあ、俺も―――」


「ブルは、宿で待っててくれていいわ! 大丈夫よ、心配しなくても余裕よ余裕!」


 もう、落ち着きがなくって、逆に心配になるっての。


 ティターニアが呆れ顔になる前に、落ち着こうね。


「エディナ、ブルの事好き?」


「エディナ、ベットでゴロゴロしてた」


「エディナ、寝不足? 良くない」


「こら、あなたたちやめなさい」


 エディナの周りでピクシーたちが囁くと、エディナは顔を真っ赤に染めた。


 みかねたティターニアがピクシーたちを嗜めると、彼女たちは「はーい」と素直に従う。


 けれど、昨晩あまり寝られずに、ベットの上で身悶えていた様子を暴露されてエディナは死にそうなぐらい恥ずかしそうにしている。


「エディナ、素直になってしまった方が気が楽ですよ」


 ティターニアは平然と言うが、この流れでそれは、もう俺の事が好きだとバラされているようなものである。


 エディナがグハッと声を上げてテーブルに突っ伏した。


 もうやめて! エディナの精神力はゼロよ!


 とそこに、パリッとしたスーツを着た男二人と女一人が俺たちの席にやって来た。


「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア様とブル・ドッグ様ですね」


「あー、そうですけど。どなたですか?」


「これは失礼、私たちは委員会で調査隊を務めております。私はハリガタ、後ろの男がウンケイ、女がアキソネと申します」


「ふーん、で、何の用?」


「昨日のタイトル戦でランキングを獲得したモンテフェギア様へ、ランキングについての詳しい説明をさせて頂きたく参りました」


「ランキングの説明?」


「ランキング保有者は、各街でランキングに応じた恩恵を受ける事が出来ます。その説明と、ランキングを上下させるシステムについてのご説明をさせて頂きたいのです」


「調査隊が説明?」


「はい。昨晩のタイトル戦は、不可解な噂も多く出回っておりましたので、内容の確認も含めてお時間を頂きたいのです」


「この後決闘があるから、終わった後にしてよ」


「それほどお時間はとらせません」


「聞くわ! 説明!」


 エディナが嬉しそうに反応した。


 えー、そんなにここで過ごすのが嫌だったの? ちょっとショックですはい。


「ありがとうございます。内容をあまり周囲に聞かれたくないので、事務所までお越し頂けますか?」


 男の言葉に頷き、エディナは直ぐに席を立つ。


 やれやれと溜め息をつきながらも、残りのサラダをボウルごと手に持ってティターニアも立ち上がった。


 あ、サラダはちゃんと持って行くんですね。


「じゃあ、ちょっと行ってくるわね」


 俺も席を立とうとしたがエディナに牽制され、食べ足りないツクヨミにガシッと袖を掴まれてしまった。


 あー、行ってしまった。


 まあいっか。直ぐに戻ってくるだろうし、ティターニアがいれば危ない事もない。


 俺は不意打ち気味に俺の袖を掴んでいるツクヨミに抱き着こうとした。


 スカッ。


 チッ、今のは結構惜しかったな。

読んでいただきありがとうございます。


早く決闘したいのに、余計な奴出てくるやつ〜。


べ、別にカードを考えるのが面倒臭くて引き伸ばしてるわけじゃないんだからね!

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