【076】もうひと押しだったね!
「……だ」
「だ?」
「ダメダメ! こんなのダメよ! このままじゃ私言いくるめられて結婚することになっちゃうわ!」
え? でも、言いくるめられるって事は、それも有りかなって思ってるって事だよね?
もう、良いじゃん! 結婚しようよ! エルフの嫁欲しいよ!
「そう! 決闘よ! 明日には決闘が控えてるの! 私もう寝なきゃ!」
そう言ってエディナは、さっさと自分の部屋へと戻ってしまった。
その後をピクシーたちが追いかけて行く。
「もうひと押しでしたね」
ティターニアがクスリと笑みをこぼして言った。
「ティターニアは俺のこと応援してくれるの?」
「当然です。寧ろ、創造主様以外がエディナの伴侶となるなど、虫酸が走ります」
言い方はアレだけど、ティターニア。良いやつだね!
「別に即決出来ない不良物件なんて放っておけばいいじゃない。ブルには私が居るんだし」
「聞き捨てなりませんね。エディナはわたくしの主人ですよ。訂正なさい獣」
「なんじゃデカ妖精、我に向かって指図するな!」
「嫌ですね。噛み付くことしか脳のない獣は」
「ほう、言ってくれるな。だが、取り敢えず羽を仕舞え。薄汚い鱗粉で鼻が痒くなる」
「あなたこそ、お風呂にでも入って来ては? 先ほどから獣臭くて敵いません」
「ぶち殺すぞ害虫!」
「出来るのならどうぞ。家畜には無理だと思いますが?」
今にも食ってかからんとするセンに、俺は慌てて抱き着いた。
「ちょ、何いきなりケンカしてんだよ!」
俺が止めるとセンは喉を鳴らしながらティターニアを睨みつけて静止した。
どうやら無理矢理俺を振り払う気は無いみたいだ。
全くなんでそんなに喧嘩っ早いんだよ。面倒臭いなぁ。もう本当にカードへ戻しちゃおうかな。
取り敢えず溜め息を吐いて、咄嗟に掴んでしまったセンのおっぱいをモミモミしておく。
うむ、役得役得。
やはりカードに戻すのはやめよう。
俺はモミモミしながらティターニアへと視線を向けて言った。
「俺は主人じゃないから、ティターニアに命令は出来ないけど、挑発的な言動は控えた方が良いよ。今回はセンが言い出したのがきっかけだからティターニアは悪くないと思うけど」
「創造主様のお言葉は肝に命じておきましょう。ですが、わたくしたちは、そもそがそういう性格で出来ているのです。それをお創りになられたのは、誰でもない、創造主様であるという事はお忘れ無きよう」
え? つまり、デレないツクヨミの性格も、俺にだけ甘々なセンも、丁寧だけど口の悪いティターニアも俺がそうしようと思ったから出来ちゃったわけ?
俺の趣味って事?
うーむ、そう考えると途端にみんな愛嬌があるように見えて来た。元々好きなキャラたちだし、この面倒臭い性格も有りっちゃ有りか。
「……あの、ブル……その、そろそろ放して欲しいんだけど……」
センが頰を赤らめて言った。
あ、ごめん。
あんまり心地良いから、無意識に続けてたよ。
読んでいただき、ありがとうございます。
真面目な方も合わせて今日の執筆作業はお終い! さあ、ストック作るぞ! とはならないのが現実。困ったものである。




