【040】大切なのはイメージです
さて、実験の始まりである。
まず始めに確認したいのは、俺が【実装】を確実に行えるのかということである。
エディナは言っていた。
【実装】を行う時は集中力を高めて、相応の儀式を行うのだと。
つまりそれは、自身の想像力を最大限に発揮する為の環境作りなのではないだろうか。
俺が儀式もなく簡単にツクヨミを【実装】できたのは、ひとえに俺のツクヨミへの愛によって成せる技……ぶっちゃけ、目に焼き付けていたグラフィックとしっかりとした設定への記憶が影響しているのだと思う。
この世界の人では、この世界に在るものしか思い浮かべることが出来ない。無から有を想像するのは中々に難しいものだ。
だから、オリジナルを生み出す為にはそれなりの準備と集中力を要するのだと思う。
それに対して俺はというと、日本で生きて来た記憶がしっかりとある。
自分のことはあまり思い出せないが、触れて来た数々のアニメやゲームの記憶はハッキリと思い起こせるのだ。
この世界の人では得られないイメージ力。というか実際に存在していた物を想像することはそれ程難しくない。
だから。
俺が想像したものは、あやふやな形にはなりにくい。
たぶん出来る。
俺はそう考え、鉄の【白無垢】のカードを一枚手に持った。
この世界に無い唯一無二のカード。うろ覚えではあるが、世界のカードは一度、俺の脳内を駆け抜けた。
その時にこんなカードはなかった筈だ。俺のやっていたカードゲームで、Rの割に役に立ったあのカード。
イメージは固まった。さあ、こい!
俺が強く念じると【白無垢】のカードが輝いた。
一際大きく光を放ったカードは、そのまま静かに光を収束させる。
うむ。灰になってないな。
俺は手に持ったカードをまじまじと見る。
すると。
そこには思った通りのカードが握られていた。
レアリティ【R】の魔法カード。【禁止】。効果は『使用後に相手は2ターン魔法の使用を禁止される』である。
公式戦じゃないと2ターンがどのくらいなのか不明だけど、制限をかけられるのは強みになる筈だ。
一先ずは成功したからいいだろう。
おそらく、俺の知っているカードであれば、【白無垢】を使って再現することは可能なのだろう。
続いては、レアリティの制限についてだ。
俺はもう一枚鉄の【白無垢】を取り出し、先程と同じように念じた。
カードが輝き、光を収束させる。
うむ。これも成功した。
手にしたカードは召喚カード。しかも、レアリティ【SR】の【ピクシー】のカードである。
調子に乗ってもう一枚。
これがいければ、なんでも出来る!
俺は鉄の【白無垢】を握りしめて、真剣にイメージした。こいっ【SSR】!
しかし、俺の念は通じることなく、【白無垢】のカードはあっさりと灰になって消えた。
うーん。流石に無理だったかあ。
俺は銅の【白無垢】を取り出し、今と同じイメージを重ねる。
よしっ! 今度は成功した!
手にしたカードは魔法カード【偶然】。名前は俺のせいじゃ無い。このカードの製作者に言ってくれ。効果はまあ、ご想像の通り、偶然が重なって何かが起きるんです。
それよりこれでハッキリしたことがある。
【白無垢】の制限は一般的に知られているレアリティよりも一つ高いレアリティに対応している。そして、俺のイメージ力はこの世界に無いカードを容易に創造させることが出来るのだ!
なんてことだ、無敵過ぎる。
俺はなれる! 新世界の神に!
読んで頂きありがとう御座います。
知り合いに本編より後書きの方が面白いって言われました。
どこがだよ!
悔しいので、本編の方が面白くなるように頑張り……
ませえぇん!




