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拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
25/204

【025】薬草集め

 あー、首痛え……。


 俺は昨晩宿をとったキャロットの街から、歩いて二時間ほどのところにある森の中で、草をむしっていた。


 なんでこんなことを……。


 そう思いながら、ブチブチと草をむしる。


 ただひたすらに。たんたんと。


 昨晩ツクヨミの衣に絞め落とされた所為で、寝違えた首がやたらと痛い。


 せっかくのハッピータイムを邪魔しやがって、あの衣め! 許さん!


「ちょっとブル! 真面目にやってよ」


 俺が内心で衣に対して毒吐いていると、エディナがやって来て言った。


 いやいや、真面目にやってるよ。見てよ、この山になっている薬草の数を。


「もう。ほとんど雑草じゃない」


 え? そうなの? ちゃんと双葉になってる草をむしってたんだけど……。



 俺たちは、朝早くに宿を出て、委員会が運営する事務所に向かった。そこで受けたクエストが薬草集めという簡単なお仕事。


 ランクによって受けれるクエストの内容は変わるらしいけど、エディナのランクは登録したてのHランクだった為、こんなクエストしか受けることが出来なかった。まあ、俺に至っては、登録すら出来ないランク無しのゴミ野郎だったわけだけど……。


 どうも委員会に所属するには、自前のカードが五枚以上必要で、【R】以上のカードを所持していることが条件らしい。ツクヨミのカードしか持ってない俺は、登録する条件を満たしていなくて、エディナに寄生するしかないわけである。


 カードを買おうにも、【R】以上のカードは数万から数十万イェンで取り引きされている為、今の俺では買い揃えることもできないわけなのであった。


 そんなわけで、一先ずはクエストをたくさんこなしてエディナのランクを上げてしまおうという話になったわけであるが……。


 草むしり、まじめんどくせえ。


「いい? ちゃんと葉の周りがギザギザになってるのを集めて」


 エディナは注意をするとさっさと別の場所へ薬草を探しに行ってしまった。


 仕方なく山になった草からギザギザの奴を探し始めるが。


 これも違う。うーんこれもだ。あっ、これは! ……ただの虫食いだった。


 つか、ほとんどちげえじゃねえか! 俺のばかばか!


 俺がうんうん唸ってると、ツクヨミが眠たげな瞳でジッと見つめてくる。


「この葉っぱ。集めるの?」


「そうだよ。手伝ってくれる?」


 俺が問い掛けるとツクヨミは小さく頷いた。


 そして、右手を掲げると、ぶわーっと広がった衣が山になった草を飲み込んだ。


 あっ!


 止める間もなく取り込まれたそれは、暫くするとペッと吐き出され、綺麗に薬草と雑草に取り分けられていた。


 おお! と感嘆の声を上げると、ツクヨミはソワソワしながらもっといるかと聞いて来た。


 可愛いその仕草に頰を緩めがならも、俺がうんうんと頷くと、ツクヨミは更に衣を広げて、周囲の草を取り込んでいく。


 その後。


 器用に薬草だけを取り込んでいった衣が、取り込んだ薬草をペッと吐き出すと、俺の身長ぐらいの高さで薬草の山が出来上がった。


 何これ! 衣さんめっちゃ便利やん! 昨晩のことは水に流すから、お友達になって欲しい!


 俺がツクヨミもろとも衣さんを撫でようとすると、相変わらずサッと躱される。だから、なんでだよ!


 そんなことをやってると、エディナが再びやって来て驚きの声を上げた。


「え? もうこんなに集めたの!?」


 ふふん。どんなもんだい! 凄いだろ? 主に集めたのはツクヨミだけど、まあ所有者である俺の手柄で間違いないだろう。


「凄いわね。ツクヨミちゃん」


 そう思っていると、エディナはツクヨミの頭を撫で始めた。


 だから、なんでだよ! いやまあ、合ってるけど!

読んで頂きありがとう御座います。


首が痛いのはブルじゃなくて自分だった件。そうだよ、寝違えたんだよ!衣まじ許さん!

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