表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拳で無双!異世界カードバトル!~ルール無用の【破壊】デストラクション~  作者: まじで
1章「エヴァルディア・ユー・カラトナ・モンテフェギア」
19/204

【019】タイーホ

 街の入り口までやって来て、唐突にエディナが言った。


「そういえば、ブル。あなたお金は持ってるの?」


 む。そう言われればそうだ。


 事前にエディナから説明を受けていたが、住民票の無い者が街に入るには入街税が五百イェンかかるらしい。


 ドッグ家というくらいだから、俺になる前のブルはそれなりにお金を持っていそうなものだが……。


 俺はガサゴソと鞄を漁ってみると、金貨が五枚と銀貨が二枚、穴の空いた銀貨が一枚と銅貨が六枚出てきた。


 それを手に乗せてエディナに見せると、エディナはうんと頷いた。


「大丈夫そうね? お金の価値はわかる?」


「お金自体はわかるけど、これが何イェンになるのかがわからないんだ」


 俺がそう言うと、エディナは親切に教えてくれた。


 銅貨が【100】イェン。銀貨が【1000】イェンで金貨が【10000】イェン。穴の空いた硬貨はその半分らしい。


 一回の食事で大体【500】〜【1000】イェンぐらいかかり、宿が一泊【3000】〜【5000】イェンぐらいの値段らしい。


 価値的には日本円と変わらないみたいで、とても覚え易い。要するに金貨一枚が一万円で銀貨が千円。銅貨が百円ぐらいの価値ってことなんだろう。


 うーん。でも、俺の手持ちは全部で【53100】イェン。一週間ぐらいはなんとかなるけど、そっから先が怪しい。適当に稼ぐ手段をみつけないと、飢え死にしてしまうかもしれない。


 まあ、最悪【白無垢】カードがあるから、なんとかなりそうだけど、ツクヨミを呼び出せるほどのカードをお金の為に手放すのもなぁ。


「さぁ、一先ず街に入りましょう」


 俺がそんなことを考えていると、エディナがさっさと歩いて行ってしまった。


 俺は慌ててそのあとを追う。



「おいっ! 怪しいヤツめ! 止まれ!」


 街に入ろうと列に並んでいた俺たちだったが、ようやく順番が回ってきたと思ったらすかさず止められてしまった。


 えー。なんでよぉ。


 エディナが俺の方を見て、ほれ見なさいって顔をしている。


「ち、違うんですよ。この子の変わった格好は彼の趣味なんです」


 おいっ! 待てぇい、エディナ! なんでそんな嘘くさい言い訳の仕方をするんだ! ち、違うんですよ。何て入り方したら、あたかも言い訳しますよって感じじゃないか! ツクヨミの格好に関しては俺の趣味で間違ってないから何も言うまい!


「いやー、そうなんですよ。僕の趣味でしてねー。えへへ」


「お前の趣味など聞いてない。確かに変わった格好だが、俺が言っているのはお前だ!」


 ビシッと指をさされる。


 ん? え? 俺?


「俺のどこが怪しいって言うんですか!」


「何を言ってる! そんな血だらけの格好をしていて怪しくないわけがあるか!」


「「あっ!」」


 そういえば忘れていた。


 俺ってば血塗れの服を着替えてなかった。


 というか仕方ないだろ! 着替えがなかったんだから! 川で洗濯する間もなく、街に着いちゃったんだから!


 どうやら俺がずっとこの格好をしていた所為で、見慣れてしまったエディナも考えが及ばなかったらしい。ふふふ、意外とお馬鹿さんだな。


 ……って人のこと言えるか!


「とりあえず話を聞くから、こっちへ来い! お前たち二人もだ!」


 転生した俺は、初日から熊に追われ、エルフの尻に見惚れ、ツクヨミを追いかけ回して、仕舞いには逮捕されたのだった。


 なんか逮捕されそうだなっ! おい!

読んで頂きありがとう御座います。


取り調べを受ける段階で逮捕はないだろうとか言わないでください。良いんですぅ!これはそういう作品なの!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ