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FILE17 幸せな祭り

「秋祭り。…………幸せの祭りになったのよね。」


「どうした、今更。」


 愛歌のぼやいた事に飛夜理はくすっと小さく微笑んだ。


「だって………信じられないじゃん。あれから2年は経つのに。」


「愛歌にとってはそうかもしれないわね♡」


 2人の会話に首を突っ込んだのは希だった。


「ちょ、希、何を言って────」


 愛歌が話をわる前に希はいつもなら閉じっぱなしの目を少し開けた。


「村人はたった一人の神によって【10月】を永遠と回っていた。そして、そのせいで四人の神は出てこなかった。だけど、人々は苦労しなかった。どうしてか。…………村の人は性質上、神の手の差し伸べがない限り、動けないし動かない。」


 希はいつもの明るい声とは反対に今は落ち着いて低い声だった。


「…………まぁ、詳しく話はまたね♡」


 そういうと、希の目はいつものように閉ざされた。

 なんだったんだ。飛夜理はそう言いたそうな顔をした。


「希…………。相変わらずだな。」


「へ?」


 飛夜理は混乱していたが、愛歌のセリフに少し目を丸くした。


「いいの。……………こっちの話。」


 2人が会話をしていると、「とりあえず、早く戻って来るのです。」とふぶきが入り込んできた。


「若い人はテント設営なのですー」


「若いって、ふぶきの方が力もあるし若いじゃないか。」


 飛夜理の何気なく言った一言にふぶきは「私は若いわけないのです」と反論する。


「まぁ、ふぶき、一応にも、年齢不詳だしね。」


「ファ?!」


 飛夜理のおかしな声にふぶきはついつい笑ってしまった。


「さて、もう少し。お仕事なのです!」


 気を取直し、ふぶきはそう叫んで神殿の方へ歩いていく。

 しゃーないと、愛歌と飛夜理は後をついて行った。


 舞菜の両親が太鼓の練習をする方向に3人は足早に向かっていった。


「3人ー!!はよおいでー!」


 向かう先には元気よく手を振る舞菜が見えた。


「今行く!」


 飛夜理は一言返した。

 そして、舞菜たちの元に着いた愛歌と飛夜理とふぶきを和室へと通した。


「………?何する気だ?」


「んー。疲れたろうから、休憩にね」


 ふぅんと愛歌は首を振った。


「あ、猫だ。おいで、にゃんこー」


 瑠衣が通りかかった猫に呼びかけた。その声に反応して愛歌はくるんと振り返った。


「にゃーにゃーにゃにゃー」


 愛歌が突然そう言い、周りの瑠衣や舞菜でさえ、固まった。

 猫も寄ってくるがあんなに笑顔で猫と話す彼女を見て、全員は絶句するしかできなかった。


「……………………あ”……………。」


 愛歌はまずいと言った顔をした。凍りつく空気に耐えられなかった舞菜は、愛歌に抱きついた。


「もー、愛歌はー!」


 あひゃひゃと下品な笑いをしながら舞菜は楽しそうにしていた。


「舞菜………下品よ……。」


「わかってるよ〜、そんなこと〜」


 当たり前にある会話がなんだか、客観的に見ても平和に感じた。


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