二話
連続投稿。ログインへいけない作品……orz
2/3 読みにくいとリア友に言われたので、丸ごとに改行
「あ~眠い。太陽眩しい、少しは手加減してくれ~。」
結局昨夜は興奮して眠れずに寝たのは四時で、六時起きの朝八時には家を出立して、平凡の会社に向かう。
俺は、実家暮らしだから家には親がいるので、防犯は問題なし。
あの電話の後、勤務先に連絡したら平凡が言ってたことは本当で、先輩から『一ヶ月向こうで頑張ってこいよ。』と言われたので、勤務先も問題なし。
後顧の憂いなく、仕事としてゲームが出来るので最高である。
平凡の会社には三十分ほどで着いた。
平凡の会社は、地下鉄の終点の駅の改札を出たらすぐ目の前にあるので通勤に便利である。
(私には関係ないけど…。)
会社に入ったら、受付にいる黒髪お下げに黒縁眼鏡でいかにも真面目そうな受付嬢さんに、平凡に取り次いでもらう。
待ち合わせは九時だから、どう暇を潰そうか考えていたら五分程で平凡がやって来た。
約束は九時なのだから、俺なんて待たせておけば良いのに、あいつも真面目である。
「おっす平凡。」
「早かったじゃないか。今日の事考えて興奮して眠れなかったか?あと平凡言うな。」
「なぜばれてるし。」
平凡の見た目は高身長でスラッとした、だけど不健康そうではなく鍛えてると分かる見た目をしてる。
そんな細マッチョな男が、高そうなスーツに身を包んでるんだからモテるだろうな。
(実際受付嬢の女の子が、キラキラした恋する乙女な目で見てたしな、ちくしょう。)
何か悔しいから、バナナの皮を踏んで転ぶ呪いを送ることにしよう。
「転べ~転べ~、無様に転べ~。」
「……一応聞いておくが何やってんだ?」
「ん?モテる平凡にバナナの皮を踏んで転ぶ呪いをかけてる。」
「呪うなよ。そして俺はモテねえよ。」
ちっ、これがモテるやつの余裕ってやつですか。
もう少し念入りに心の中でも呪っておこう。
二人で会社を出て、会社の裏手にあるホテル(半年前に会社に遊びに来たときは更地だったはずなんだが…)の一つ(何か周り見渡したら他にも同じようなホテルが十はあるんだが…)に入る。
「このホテル群って今回のβテスト用に建てたのか?」
「あぁそうだ。ホテルの他にも公園とか図書館にジムなんかもあるぞ。他のβテスターもここで行ってもらうことになる。」
「何人ぐらい入ってんだ?」
「名古屋で約千五百人だ。あとは札幌と東京、大阪に福岡と住んでる地域ごとに別れてβテストを行う。」
なるほどなぁ。全員を一ヶ所に集めて行う、って訳じゃないんだな。
エレベーターに乗って五階まで移動。
少し歩いたら、平凡が一つの部屋の前で立ち止まり俺に鍵を渡してきた。
部屋番は……503か。
「ここが今日から影人に一ヶ月間過ごしてもらう部屋だ。」
「へぇ、ここ……が……。」
いかにも高級そうな机や椅子、キングサイズはありそうな大きさでふかふかな布団が引かれたベッド、俺の家にあるテレビよりも二周りはありそうな液晶テレビ、床を見れば高そうな絨毯が敷かれ、室内を照らす照明は小降りなシャンデリア。
ここはどこのスイートルームですか?
そしてそんな高級感ありありな部屋の隅に置かれてるが、存在感が半端ない機械がVR機器なんだろうか。
「βテスターに不自由なく過ごしてもらうため高級なもので揃えてある。」
「高級なもの過ぎて、壊しそうで落ち着けず不自由しそうなんですが?」
「そこは諦めろ。で、あそこにあるのがお前のこれからの相棒になるVR機器《GATE》だ。」
「GATE……。」
見た目は病院にあるようなMRI装置にそっくりで、色は真っ白。
なかなかごつい見た目をしている。
横には同じく真っ白なヘルメットみたいなのもかかってる。
「そうだ。『新たなる世界と可能性への扉』で意味が込められてる。もうGATEにはAHOがインストール済みだから、あとはお前の登録を済まして開始時間までのんびりしとけ。使い方は服着たままで良いからそこの台の上に寝て横に置いてあるヘッドギアを被るだけだ。」
「時間って何時からだ…?」
「AHOサービス開始は十三時からだ。だからあと約四時間か。ゆっくり設定しろ。」
「今さらだが本当にいいのか?抽選に送ってすらない俺がβテスターになっちまっても。」
「本当に今さらだな。なんも考えず楽しんでこい。俺は運営側だから遊べないが存分に楽しんでこい。」
親父さんから許可が降りてるならいいか。
てかさらっと言ったけど平凡が運営か……。
「お前が運営だと意地の悪そうなイベントとか起こしそうなのでチェンジで。」
「お前それはどういう意味だ?」
「そのまんまの意味だ。あとなんか知っておくべき事はあるか?」
話すのがめんどくさk…もとい、時間節約のために平凡に話題を振ることにする。
時間は大事である。
「あぁ、そうだな……。ログイン時間は制限があるのと、GATEでもネットが見れるから名前決めるのに困ったら使え。ただ書き込みはできない、ただ見る機能だけ付いてるから。あと服とかはそこのクローゼットに浴衣が入ってるからそれを使え。飯を食うなら八階に食堂があるからそこで食え。……それぐらいか。分かんないこと有ったら電話しろ。電話くらいならトラブってない限り出れる。」
「了解~。じゃあ俺飯食ってくるわ。」
「あいよ。じゃあ俺は運営の会議あるからこれで失礼するから。じゃあな。」
そういうと平凡は部屋を出ていった。
世話好きなやつである。
だが助かるから文句はない。
俺は早速宣言通りに飯を食いにいくことにする。
たぶん他のβテスターは、先にはしゃいで設定して残った時間で飯を食うだろう、という希望的推測をしつつ鍵をかけて部屋を出る。
防犯は大事。
読んでいただきありがとうございます!
……もっと短い方がいいのか?