第2話 早くも因縁の対決!?
アルヴヘイム帝国。俺の転生先はそこの王家。話によると、この国は魔法が特に発展しているが、その代償として歴代の君主の跡継ぎが一人しか生まれない“神の制約”なるものを抱えているらしい。
世界観が封建的な為、跡継ぎ問題は深刻とのこと。
コレを打破すべく、魔法で優秀な異世界人を王族として転生させる技術を確立し、俺はその第一号『エクスパーダ・アルヴヘイム』として再び生を受けた。
ただ、俺に課せられた役割は皇帝ではなかった……。
※ ※ ※
なんやかんやあって、俺は16歳の誕生日を迎えた。
「誕生日おめでとう、エクス」
このヒゲの厳格な男は、父である現皇帝『エドワード・アルヴヘイム』。98代まで、一人っ子なのによく続いたものだ。
闇が深そうなので、詮索は良くないかもだが。
「父上、ありがとうございます」
後の調査の結果、アルヴヘイム王家は紛れもなく直系で現在まで至っていることが分かった。病気、不慮の事故、暗殺………跡継ぎの一人くらい遭ってもおかしくないはず。やはり、神の制約というのはデメリットだけではないらしい……?
「本当、転生で生まれた子は大人びて見えるわね」
母、王妃『セザンヌ・アルヴヘイム』。
白雪姫の継母ポジションかと思ったら、全くそんなことはなかった人である。そして……
「エクス〜? お姉ちゃんにあ〜んしなさい」
金髪ストレート、碧眼、でけーチチ。
全てを兼ね備えた美少女が俺におねだりしてくる。
「あ、姉上、あーん」
「はむっ……う〜ん、ケーキ美味しい〜!」
彼女は皇帝唯一王女『アリエル・アルヴヘイム』。
93日早く生まれた、俺の姉。
「こらこら、エクスの誕生日だぞ。 少しは慎みなさい、アリエル」
父上が嗜めるが、アリエルは
「いいでしょお父様! 私と同い年なんだから、私も誕生日の主役みたいなものだよ!」
と、そのまま俺の腕に頬ずりする。
「エクスは私の弟だもん。ねー? 」
う〜ん……こんな姉、前世では考えられないほど美しい。
「アリエルはエクスことが昔から好きよね」
「た、頼むぞ……エクス」
これまでの荒んだ生活とは正反対の、優雅な王族ライフ。
死ぬときは痛かったけど、楽園への片道切符と考えたら安いもんだ。
※ ※ ※
翌日、俺は父と『レアチーズ王国』の重役と交渉に赴くことになった。
レアチーズ王国はアルヴヘイム帝国に長い間不平等な干渉を続けてきた。奴らの狙いは、さしずめ魔法技術の獲得、優秀な人材の入手といったところか。
「すまないエクス……今回も頼む」
「ええ、もちろんでございます。私を転生させたことを後悔なんて、させませんよ」
交渉場所の扉を開けたとき、俺たちを待っていたのは端正な顔立ちの青年だった。
「はじめまして、アルヴヘイムの皆様。今回のレアチーズ代表を務めさせていただきます、ランド・レアチーズであります」
なんてことはない、王族の青年。
だが一瞬だけ、彼は俺の見たことのある表情を浮かべるのだった。
(……運命の悪戯か、よもや転生先でも出会うとは)
そう、彼は紛れもなくあのクズ占い師の転生者だった。
だが舐めるなよ……?
前世で俺を下に見たこと、後悔させてやるか。




