第1話 転生しちゃった……
僕の名前はイカサマ占い師”菅生義人”、横浜生まれ横浜育ちの25歳。
かっこいい嘘つきになりたくて学校を卒業後別の街で占い師をやってる。マジシャンズヨシドーの占い店という、一見すると怪しい、寂れた店を出している。
何故寂れているかというと、話は長くなる。
最初の一ヶ月は好調だった。
あまりひけらかすのは忍びないが、俺はイカサマが得意だ。
相手に応じて脳内でプロフィールを作成し、それに適した占いというイカサマをして相手の気を楽にさせる。
別に宝くじが当たるとか、1年以内にナイスバディな女の子と結婚できるとか、そんな極端なことは言わない。
とはいえ……運命の悪戯か。
あろうことか、隣に同業者の店が建ったんだ。
爽やかイケメンでものすごく人気のあるインフルエンサーらしく、
俺から客を奪いに奪ったのだった。
しかも、出会い頭に
「あれ〜? キミまだここで占い師やってんの? 気の毒だね〜、僕の隣だなんて。悪いことは言わないから、とっとと消・え・ろ」
と煽ってきやがる。
かっこいいのは見てくれだけで、中身は紛うことなきクズ……なのだが、取り巻きはそんなこと露知らず、寄ってたかって俺の評判を落としに来るのだった。
……それから、俺の占いに来る人は年間2人だけだった。
「結局、俺の占いは日の目を見ずに終わるのかな……ははは」
手入れをしなくなって埃っぽくなった店で、水晶に映る自分にボソリと呟いた。
隣の占い屋の喧騒が俺の心を滾らせていく。
加えて、何故か空が赤く光っていく。
まるで世界の終わりかのように……なんてな……?
「ほんと、俺の未来を占ってほしいよ……」
「ビルが倒れるぞ!!」
「え……?」
その瞬間、灼熱と崩壊した建物に、僕は……というかこの周辺の人間は飲み込まれた。
※ ※ ※
「う……あ……?」
真っ暗だ。ここはどこだ。
声も出せな……くはない……?
『おお、目を覚ましたぞ!』
なんだ……老父の声……?
『本当ですか……!?良かった、儀式は成功したのですね』
女の、声……?
『ようこそ、そしておめでとう。宰相エクスパーダ・アルヴヘイムくん』
その言葉と共に、俺の視界が明瞭になった。
中世のシャンデリアと貴族……?
そして泣くことしかできないこの肉体……。
……おいおい、マジかよ。
コレって、転生ってやつか!!




