■ Ep.70 第42.5話:幕間【学園記事】~水着回! 我らが聖女と氷の令嬢の秘蔵ショット!~
【第42.5話(Ep.70):まえがき】
いつもお読みいただきありがとうございます!
前回、第42話(Ep.69)では、水深30メートルの魔導プールを「純度100%の聖水」へと浄化し、人魚たちに保湿クリームが必要なレベルのトラウマを植え付けて勝利した王立学園チーム。
しかし、観客や読者の皆様が気になっていたのは、勝敗よりもむしろ、アイザックの趣味が暴走した**「ハイレグ・ハイドロブースター水着」**の勇姿だったのではないでしょうか?
今回の第42.5話(Ep.70)は、そんな「水着回」の興奮が冷めやらぬ王都の様子をお届けする、新聞部による特別号外レポートです!
聖女アヤネの爆速スマイルから、氷の令嬢クラウディアの羞恥のショット、そして戦場に写り込んだ「謎の銀色物体」の検証まで。
大会運営を動かし、「アイザック・ソフィア条項」なる禁止ルールまで生み出してしまった、伝説の2回戦を紙面で振り返ります!
【王立精霊学園新聞・魔法オリンピア特別号外】
発行日: 大会第2日目・夕刻
発行責任者: 新聞部部長・パパラッチ・アイ
見出し: 緊急特報! 王都の海に舞う人魚たち! 聖女と氷姫、奇跡の競演(と放送事故)! そして写り込んだ「銀色の怪物体」とは!?
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### 【第1面トップ記事:青き地獄を制した「暴走する美」】
親愛なる精霊学園の諸君、および全王国の「美少女」ファンの皆様、お待たせいたしました!
本誌特派員が、決死の覚悟(主にソフィア選手の殺菌スプレーとクラウディア様の氷魔法に対する覚悟)で潜入撮影に成功した、「魔法オリンピア・第2回戦」の激写レポートをお届けする!
今回のフィールドは「水中」。 対戦相手は、海の支配者たる人魚チーム『セイレーン』。 圧倒的に不利な環境下で、我らが精霊学園チームが見せたのは、「科学」と「神秘」、および「羞恥心」が入り混じった奇跡の逆転劇であった。
まずはこちらの、本日の一面トップを飾る写真をご覧いただきたい。 (※写真①:水飛沫を上げて水面から飛び出す、アヤネ様とクラウディア様のツーショット)
■ 天使か? 魚雷か? 聖女アヤネ様の「爆速スマイル」!
見てほしい、この神々しい笑顔を! 対戦相手である人魚チームの魔法が飛び交う中、アヤネ様はまるでダンスを踊るかのように、幾何学的な軌道を描いて水中を駆け巡っていた。
その速度、なんと推定時速100km! 通常の遊泳速度を遥かに超えているにも関わらず、彼女はカメラ目線でVサインを決めている。
(※注:一部の目撃者からは「止まれなくて悲鳴を上げていた」「誰かに操られているような動きだった」との証言もあるが、これは彼女の高度な『魅せる(エンターテインメント)』意識の表れだろう)
■ 氷の令嬢、禁断の「肌見せ」解禁!
続いて、その隣で凛とした表情(というより、羞恥と怒りで真っ赤な顔)を見せているのは、鉄壁のガードを誇る生徒会副会長、クラウディア様だ!
普段は露出を控えた制服姿の彼女が、まさかの**「ハイレグ・高機動型競泳水着」で登場だ! その白磁のような肌と、水に濡れて張り付く極薄の布地……。 この一枚のために、我々取材班は命を懸けたと言っても過言ではない。**
なお、撮影直後、カメラマンは「氷漬けの彫像」と化したが、彼の最後の仕事に全校生徒から敬礼を送りたい。
【第2面:検証・謎のオーパーツ】
今回の試合で、専門家たちの議論の的となっているのが、選手たちが着用していた「あの水着」と、戦場を飛び交っていた「謎の物体」である。
■ 狂気の発明品「ハイドロ・ブースター」
選手たちが着用していたのは、アイザック・ギアボルト選手(錬金術学部・3年)が開発した**【反重力・ハイドロブースター水着】である。 布面積を極限まで減らし、魔力推進器によって水中をロケットのように加速するこの装備。**
本来なら制御不能で壁に激突するはずの欠陥品(アイザック氏本人談)だが、試合ではなぜか「一糸乱れぬ編隊飛行」を見せた。
軍事評論家ガストン氏のコメント:
「ありえません。個々の体重も推力も違う5人が、ミリ単位の誤差もなく連動して動くなど……。 まるで、**『見えざる神の手』**が上空から彼女たちをラジコンのように操作しているかのようでした。 もしこれを人力で行っているとしたら、その指揮官は天才か、あるいは変態です」
■ 激写! 戦場を支配する「銀色の幽霊」
そして、本誌が独自入手した「決定的瞬間」の写真がこれだ。 (※写真②:水中を泳ぐアヤネ様の後ろ、水面スレスレを飛行する**「銀色の棒状の物体」**の拡大図)
高速で移動しているためブレているが、金属質の光沢を持つ、長さ15センチほどの「ペン」のような物体が確認できる。 この物体は、選手たちの周りを衛星のように飛び回り、時には青白い光(マナ通信波)を放っているように見える。
【仮説1:新型の自律偵察ドローン?】
アイザック選手の発明品の一つか? しかし、彼の他の発明品(すぐ爆発する)に比べて、あまりにも動きが洗練されている。
【仮説2:古代の遺物?】
形状は、伝説にある「賢者の指揮杖」に似ている。 自律して動き、味方を支援する古代兵器の可能性も否定できない。
【仮説3:マネージャーの私物?】
一部の証言では、チームマネージャーの神木コタロウ氏が、似たようなペンを所持しているのが目撃されている。 彼がプールサイドでこのペンを振るたびに、選手たちが急旋回したり、加速したりしていたという情報もある。
もしや、彼はこのペンを使って、選手たちを意のままに操る**「人形使い(パペッティア)」**なのだろうか? (※記者の私見:もしそうなら、あんな際どい水着で女子を振り回すなんて、とんでもない破廉恥な趣味の持ち主である。羨ま……けしからん!)
【第3面:フィールドレポート・地獄と天国】
試合内容は、一方的な蹂躙劇となった。 その要因となった二つの現象について解説する。
■ ソフィア選手の「絶対無菌領域」
試合中盤、プールの水質が激変した。 衛生兵ソフィア・ミラー選手が放った魔法により、海水が**「純度100%の聖水」**へと変質。 プランクトンや雑菌はおろか、人魚たちの「肌の潤い成分」まで分解・浄化された。
対戦相手・人魚姫マリーナ選手のコメント(涙目):
「信じられないわ! お肌がカピカピよ! 鱗が逆立っちゃったじゃない! あの女、戦場で美容攻撃を仕掛けてくるなんて……悪魔ね!」 (※試合後、人魚チームにはソフィア選手から大量の保湿クリームが送りつけられたとのこと)
■ 謎の「発光体」の目撃情報
また、水中カメラには奇妙な「光の玉」が映り込んでいる。 黄色い稲妻のような光(エレキ?)や、半透明の水の少女のような影(アクア?)が、選手たちの水着の周りを飛び回っていた。
専門家は「高濃度のマナが視覚化した現象」としているが、一部の精霊使いからは「あれは精霊が『物理的』に干渉して、水着を無理やり動かしているのでは?」という指摘もある。 もしそうなら、精霊を使役して「水着の制御」だけをさせるなど、前代未聞の贅沢な(そして無駄な)魔力の使い方である。
■ マスコット枠? 溺れる野獣
(※写真③:水流のクッションに弾かれ、目を回しているモモ選手のアップ)
獣人族のモモ選手は、終始「流される担当」として会場を沸かせた。 彼女の必死な形相と、濡れてペタンとなった獣耳は、保護欲をそそると一部のファン層(ケモミミ愛好会)から熱狂的な支持を得ている。
「溺れているんじゃない! 泳いでいるんだ!」と本人は主張しているが、どう見ても洗濯機の中の猫であった。
【号外付録:関係者インタビュー】
◆アイザック・ギアボルト氏(発明者)
「ヒヒッ! 『ハイドロ・ブースター』の性能は実証されたネ! え? 勝手に動いてた? いやいや、あれはボクの『【AI】自動制御』が優秀だったからサ! ……え、ボクの水着にも外部アクセスの痕跡があった? ……ハッキング? まさかネ」
(※彼は自分の技術がコタロウ氏のペンに上書きされていたことに気づいていない様子だ)
◆神木コタロウ氏
記者:「コタロウさん、あの『銀色のペン』は何ですか? 選手たちを操っていたのですか?」
コタロウ氏:「いや、あれはただのボールペンですよ。スコアを付けてただけです。 選手たちが上手く動けたのは、日頃の特訓の成果じゃないですか?(棒読み)」
記者:「でも、ペンが空中に浮いて光っていたという目撃情報が……」
コタロウ氏:「あー、それはあれです。最近の文房具は光るんですよ。ゲーミング・ペンです」
(※彼は言葉を濁し、逃げるように去っていった。そのポケットの中で、銀色のペンが「ブブッ」と震えたのを記者は見逃さなかった)
【編集後記・大会運営より】
試合終了後、大会運営委員会より緊急のルール改正が発表された。
【魔法オリンピア憲章・追加条項】
第12条:『推進力を持つ水着』および『水質を劇的に変化させる魔法(強酸・強アルカリ・聖水化など)』の使用を禁止する。
第13条:『透ける機能』の実装は、倫理規定によりこれを永久に禁止する。
通称、**「アイザック・ソフィア条項」**である。 これにより、あの奇跡の水着姿は、もう二度と拝めない幻となってしまった。 しかし、我々の記憶(と、この新聞の写真)には永遠に残るだろう。
次戦は「森林エリア」。 獣人モモ選手の活躍と、謎のマネージャー・コタロウ氏が振るう「銀色のタクト」から目が離せない。 彼のペンが次に何を描くのか……それは勝利のシナリオか、それとも新たなカオスか。
(文・写真:新聞部特派員パパラッチ・アイ)
【広告欄】
* 「水着の跡も消えちゃう!? 聖女印の美白クリーム」 好評発売中!
* 「あなたの発明、買います」 帝国技術局(※アイザック宛の怪しい求人)
* 「急募! プールの水質管理スタッフ」 (※人魚チームが帰国したため欠員あり)
* 「伝説の鍛冶師ガントの店」 「回るペン? 知らん! うちは硬派な武器屋じゃ!」(※取材拒否されました)
(第42.5話 完)
【第42.5話(Ep.70):あとがき】
お読みいただきありがとうございました!
「透ける機能の実装を永久に禁止する」……。大会運営側の、倫理を守ろうとする必死な叫びが聞こえてくるような幕間回でした。
今回のハイライトを振り返ると:
• パパラッチ・アイの執念: クラウディア様の氷魔法を食らいながらシャッターを切る、新聞部の鏡(犠牲者)。
• 銀色の幽霊: 徐々にコタロウのワンドの存在が「謎のオーパーツ」として注目され始めています。
• 溺れる野獣: モモの不憫な可愛さが、一部の過激なファン層を開拓してしまいました。
お祭騒ぎの記事で盛り上がる裏で、大会はいよいよ準決勝へと突入します。
華やかなプールから一転、次なる舞台はジメジメとした、野生の殺気渦巻く「密林ジャングル」です。
【次回予告】 第43話(Ep.71)『準決勝:獣の誇りと、野生の呼び声』
次はモモの番。彼女を「出来損ない」と蔑んだ、獣人連合の王ヴォルフガングが立ちはだかります。
コタロウが授ける「ステーキ」による覚醒と、ヤンキー精霊シップウとの爆速コンビネーションをお楽しみに!
次回もよろしくお願いします!
【作者からのお願い】
物語を楽しんでいただけましたら、ぜひブックマークや、下の評価欄から**【★★★★★】**で応援いただけると嬉しいです。
皆様の応援が、新聞部への新しいカメラ機材代と、コタロウのアイマスクの遮光性能に直結します!




