鍵の選択
崩れ落ちる空の下、僕とアヤは必死に踏ん張っていた。
足元のアスファルトが波打ち、建物が砂のように崩れていく。
「ハル! このままじゃ――!」
アヤの声がかき消されるほどの轟音。
その中心に、久遠が立っていた。
彼の手の鍵が黒い光を放ち、監視者たちは跪き、世界そのものを歪ませていく。
「……わかるだろ、ハル」
久遠の声は、妙に澄んでいた。
「お前の鍵は“始まり”の鍵。俺のは“影”の鍵。二つが揃えば、この止まった世界を完全に支配できる」
「支配? お前……何をするつもりなんだ」
僕は問い詰める。
久遠はゆっくりと目を伏せ、言葉を選ぶように答えた。
「……俺たちは選ばれたんだよ。この崩壊した世界を“やり直す”か、それとも“壊し切る”かを」
アヤが震える声で叫ぶ。
「壊すなんて、そんなの――!」
「壊さなきゃ、始まりはない」
久遠の声には、迷いも苦しみも混ざっていた。
僕は握りしめた鍵を見つめる。
――選択の時だ。
手を伸ばせば、久遠と共に“新しい世界”を作れるのかもしれない。
けれど、それはアヤや、今までのすべてを犠牲にする選択だ。
「ハル……信じてるから」
アヤの瞳が、僕を真っ直ぐに見ていた。
胸の奥で、答えが決まる。
僕は久遠に向かって叫んだ。
「――俺は、お前とは行かない!」
瞬間、二つの鍵がぶつかり合い、まばゆい閃光が世界を包み込んだ。
空の亀裂が一気に広がり、すべての景色が白に塗り潰されていく。
……そして。
気がつけば、僕は教室に座っていた。
窓の外には、いつも通りの昼下がりの青空。
隣の席には、アヤが眠そうに俯いている。
「……夢、だったのか?」
けれど机の上には――あの古びた鍵が、ひっそりと置かれていた。
僕の背後で、静かにドアが開く。
振り返ると、久遠が立っていた。
彼の目が、一瞬だけ鋭く光ったように見えた。
「また会うよ、ハル」
ドアが閉じ、静寂が戻る。
僕は震える指で鍵を握りしめた。
――これは終わりじゃない。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ここまで見てくれて、ありがとな
これ伸びたりコメント書いてくれたら
続き書こうと思いますー
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