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手と手と手  作者: とと


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3/3

手もかしてくれない

読んでいただきありがとうございます。


「あー痛い痛い、よいしょと動かしてくれないものかね」


「たかえさん頑張って、また歩けるようにならないと」


「もう年なんだから優しくできないもんかね」


私は無事に国家試験に合格し、看護師として整形外科病棟で働いている。


ご高齢になると転んで足の骨が折れる人は多く、整形病棟の患者さんの多くは50歳以上だ、さらに80歳以上で入院されると、急激な環境の変化や手術や処置の影響で認知能力が低下したり、一時的に状況が認識だきなくなってしまうことがある。


たかえさんも94歳で自宅で転んで足の骨が折れて手術のために入院となり、先々週、無事に手術を終えた。


たかさんは入院してからもしっかりされていて、しゃきしゃきと言いたいことをそのまま話すたかえさんと話しをするのが私は楽しかった。


「あー痛い痛い、転ぶもんじゃないね~」


「でもたかえさんはすごいですね、頑張ってリハビリしてるから、移動もスムーズになりましたね」


「私は根が強いからね!」


たかえさんのリハビリは順調に進み、福祉のサービスをいくつか入れて、一人暮らしのお家に帰ることが決まった日、私はたかえさんを担当している同僚のスタッフに私を呼んでいると聞いて、たかえさんのお部屋を訪ねた。


「たかえさんどうしました?」


「きたね、ここに座りな」


たかえさんは私の顔を見ると腰掛けた自分の隣に座るように、ぽんぽんとベッドを叩く。


「たかえさんお家に帰る日が決まったんですよね、良かったですねたかえさんの年齢で歩いて帰れるなんてさすがです」


「娘が近所にいるからね、一人は少し寂しいけど家に帰れるのは嬉しいよ」


横に座った私の手にたかえさんがガーゼのハンカチを握らせる。


「売店に売ってたもので、大したものじゃないけどかわいかったから、私の気持ちだから受け取って」


「師長さんに怒られちゃいますから……」


返そうとする私の手をたかえさんは、ハンカチごとぎゅっと握って押しとどめた。


「最初はね、手術して痛いのに最小限しか手を貸してくれないあんたはひどい看護師だと思ったよ!ほかの人はひょいっと抱えて移動させてくれるのに、あんたは時間がかかっても手を貸さなかったからね、この生意気な小娘が!って腹が立ってね、歩けるようになってやるって思ったんだ」


「…………嫌な思いをさせてしまいましたね、ごめんなさい」


「違うよ、あんたが本物の看護師なんだよ!他の人は忙しいから私を抱えて移動した方が簡単に用事がすむからそうしてたけど、あんたは時間がかかっても声をかけて私の移動に付き合ってくれたんだね、だから私は歩いて帰ることができるんだよ、ありがとね」


「歩けるようになったのは、たかえさんが頑張ったからです、たかえさんと話すの楽しかったですし」


「ハンカチは貰ってちょうだい、師長さんいは私が話すから。素敵な看護師になるんだよ」


「はい。ありがとうございます」


数日後、娘さんと一緒にたかえさんは退院していった。


杖はついているけど、しっかり自分の足で歩いて。



異世界 恋愛のジャンルが大好きで、読むのも書くのもその分野だったのですが、初めて現代で職業物を書かせてもらいました、うまく表現できていないところもあるかと思いますが、珠未の成長を願い書かせたいただきました。(*^-^*)

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