エルウッド王国の王子の里帰り1(仮)
31話
この世界で最大の人口数を誇る大国ローランディア王国。
人口では劣るが最強の騎士団を有するエルウッド王国。
この両国の間に友好のあかしとして両国の王族同士が婚姻を結び建国されたローウッド王国。
この国は小さな国だが、非常に重要な国である。
エルウッド王国とローランディア王国が戦争をすることはないという両国の決意のもと、建国されただけあって両国の交流も盛んに行なわれていた。
ここには現在エルウッド王国第一王子のリオン・エルウッド、ローランディア王国第二王子オスカー・ローランディアが滞在している。
これはミナトがエルウッド王国にきてから1ヶ月くらいの話。
リオン・エルウッドは身長185センチで金髪のエルフ。
もちろん美男子であり、細身だが鍛え抜かれた身体をしている。
当然交際の申し込みも数多くあるがすべて断っている。
オスカー・ローランディアは身長172センチの薄紫の髪のヒューマンだが優しそうな風貌で数多くの令嬢を虜にしている。
「リオン、兄が迷惑なお願いをしてすまなかった。」
「別にいいさ。しかしそんなに切羽詰まっているのか?」
「そうでもないさ。森は今安定しているからね。でも兄は王位に就く前に領土を広げてアピールしたいのさ。まあよそはわからないけどね。」
「そうか、それならいいのだが。しかしそんなに召喚者とは有能な人材になりうるのだろうか?」
「エルウッド王国は精鋭ぞろいだからそう思うんじゃないか。兄からの報告では召喚者の1人は既に我が国の第一騎士団の副団長に匹敵するくらいになっているそうだよ。」
「それはすごいじゃないか。うちに来たのは大したことはなさそうだ。ヒューマンとしては若くはないようでな、妹から無責任なことをするなと怒りの手紙がきたよ。」
「そうなのか。その辺は当たり外れがあるのかもね。まあいいじゃないか君のところは困らないだろ。」
「困らないけど、責任を感じてしまうな。国が保護し続けるほかないだろう。帰ったら謝罪しないと。」
「じゃあ女でも与えてやればいいんじゃないか。」
「ふむ、検討しておこう。しかしいつ帰れるかわからないが。」
さらに1ヶ月が過ぎた。
最近はミナトという召喚者の話は聞くことが少なくなった。
はじめこそエルフィナ義伯母上の提案で騎士団の訓練に参加していたがついていけず大変そうだという手紙がよく来たが最近はなくなった。
リーナはそろそろ巡業に行くころだろうかと考えていたら、
「リオン考え事をしていると危ないよ。」
とオスカーが声をかけてきた。
「すまないな。妹のことを考えていたんだ。」
「何か心配事でも?」
「大したことじゃないさ。そろそろ国内の巡業の時期で毎年僕が行ってたんだが今年はいけないからね。妹がいくんだが良からぬことを考える奴がいるかもしれないからね。」
「可愛い妹さんだからね。仕方ないね。妹と言えばうちの妹が君に会いたがっていたよ。」
「そうなのか?あまり話したこともないんだけどな。」
さらに1ヶ月が過ぎた。
平穏な日々を送っている私に、ミドガルド砦が半壊したとの報告が来た。
何があったのか急いで調べさせたが、分かったのはボスクラスモンスターがあらわれたということだけだった。
情報操作がされているように感じた。
次にきた報告は衝撃だった。
母上が妹のリーナとミナトを婚約させたというものだった。
理由はエルフィナ義伯母上を助けたからということだが何があったかわからなかった。
悩んでいたら「そんな変な顔してどうしたんだい?」
とオスカーが声をかけてきた。
「いや妹が婚約したらしいんでな。しかもそれが母上の提案というから少し混乱してしまっていた。」
「それは驚きだね。ミリアリア様は王族にしては珍しく婚約とかさせないからね。うちもこの間、姉上と召喚者の婚約があったけどね。」
「君のところは相手がいないのが珍しかったほうだろ。」
「帰って聞いてみるしかないね。」
それから2か月がすぎた。
最近はエルウッド王国の情報があまり入ってこない。
ローランディア王国のことはよく入ってくる、召喚者の1人がついに第一騎士団団長に勝ったとか、森への遠征準備をしているとか、オスカーの従妹が召喚者と婚約したという感じだ。
手の者に聞いたがエルフィナ義伯母上が情報操作をしているのかお手上げのようだ。
さらに1ヶ月が過ぎた。
ようやく入ってきた情報は王都ではラーメンなるものが流行ってるらしいということだった。
さらに1ヶ月が過ぎた。
こうなったら実際に帰って母上に聞くのが1番だと結論していたら
「聞いたかいリオン。今年は学園祭で各国の名物で何が美味しいかを競うイベントを開催するそうだよ。」
「それは知らなかったな。ローランディアのブルのステーキは旨いから勝つのは君のところだろ。」
「自信はあるね。と言っても私が作るわけじゃあないけどね。」
「違いない。」
そんなことを言って笑っていたら叔父上から呼び出しをうけた。
執務室に行くと「すまないなリオン。」
「いえ叔父上どうされましたか?」
「そろそろ一度エルウッド王国に帰ってはどうかと思ってな。ついでに姉上に色々聞いてきてほしいんだ。」
「それは構いませんが。何かあったんですか?」
「最近エルウッド王国から情報があまり入ってこないから様子見もかねてということだ。リオンも最近休みを取っておらんようだし休暇ついでに学園祭を楽しむのもいいんじゃないか。」
「わかりました。では帰りの準備に入ります。」
こうして私は長期休暇もかねて本国に帰ることになった。
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マリンウッドでの1件から1ヶ月が経った。
その間俺はちょくちょく鉄の森に行って地竜を狩っていた。
ストックはいくらあっても問題ないからだ。
そして今日も1人地竜を狩ったところでレベルが150になった。
そうしたら種族がヒューマンからハイヒューマンに変わった。
見た目が少し若くなり、寿命が大幅に伸びたようだ。
『おめでとうミナト。はい覚醒の書2つね。』
って渡されたのをイベントリーにしまう。
「なんで2つなんだ?」
『渡すの忘れてたの。』
「またかよ。」
『てへっ。』
自分で使ってもいいが今はストックしておこう。
『マスター少し若くなってかっこよくなったです。』
ライカがほめてくれる。
「自分じゃあ見れないからわからないけどね。」
さてそろそろ帰ろうかな今日は昼からゼスト商会に行かないといけないし。
そうして転移で王都に戻った。
門をルシードとして通って冒険者ギルドに入っていく。
そこでオークを売ってから路地裏で鎧を脱いでゼスト商会に向かう。
今回商会に向かうのはレオちゃんにかねてからお願いしていた、醬油の定期的な流通ルートができたという報告が来たからだった。
「ミナトさんようこそ。父がお待ちです。」
出迎えてくれたのはレオンさんだった。
案内された部屋にレオちゃんはいた。
「お待たせしました。レオナルドさん。」
息子さんの手前そう呼んでみるが返事はない。
「レオちゃん。」
「待ってなんかいないとも。早いくらいだよ。」
「すいません。父は気に入った人にはどこでもレオちゃんと呼ばせるので、私のことは気にしないでください。なんなら私もレオちゃんでもいいですよ。」
「何を言っておるかそれが許されるのは私だけだ。おまえにはまだ早い。」
親子で言い合いを始めてしまった。
どうしたもんだろうと思っていたら職員さんがお茶を持ってきた。
「会長ミナトさんが困ってますよ。」
そういわれて言い合いをやめこちらに向き直った。
「じゃあ早速ミナト君の話を聞こうか。」
急に切り替わられても困るがいいや。
「醬油の定期的な確保ができたということでラーメンの種類を増やそうと思いまして。」
「なんですとぉ。ラーメンが増えるとは。」
レオンさんの食いつきがすごい。
「それは簡単にできることなのかね?」
「簡単ですよ。今は塩だれをボアのスープで割っているところを醬油ダレに変えるだけですから。そして醬油ダレの開発はすでに終わっています。」
「それなら問題なさそうだね。」
「では実食していただいてもかまいませんか?」
「もちろんです。」
レオンさんがそう言ったので調理場で作って持ってくる。
そして二人とも一気に平らげる。
「これも素晴らしいね。」
「最高ですミナトさん。」
「このしょうゆ味を増やすことでお客様に選択肢ができて飽きが来なくなると思います。」
「では早速1号店から始めようか。その醬油ダレのレシピは?」
「もちろん用意してあります。このあと閉店した店で実際に作りましょう。」
「では1号店から連絡を入れておくよ。」
そこからは今後の計画を話していった。
もうすぐ4号店が王都に、5号店がエルウンに、6号店がローウッド王国にできる予定だそうだ。
売り上げが伸び続けているので出店ペースも上がっていっているそうだ。
酒の提供もできる算段が整いつつあるようだ。
酒に関しては大手のゼンリョウ商会と取引をする予定で自社製品だけでは賄えないところをお願いするみたい。
話し合いも終わり、1号店で指導して帰ったらリーナが部屋で待っていた。
まず最初に俺が若くなっていたことに驚き、寿命が延びたことに喜んでくれた。
待っていた理由はお兄さんが帰ってくると連絡があったので伝えるためだったみたい。
その後部屋に帰って部屋にいた全員に驚かれた。
「兄さんがほんまに兄さんになってもうたで。」
「やっぱ今までは気を使ってくれてたのね。」
ミレイヌとレインがもじもじしていたので聞いたら、前よりかっこよくなってて恥ずかしくなったとのこと。
そんなに変わったのかな?
さてそんなことがあって1週間が過ぎた頃リーナのお兄さんが到着したという連絡が入った。
今日は家族水入らずで過ごすだろうとシズクさんが教えてくれた。
お兄さんは肉が好物と聞いたので、夕飯にはミノタウロスステーキを提供しようと思って厨房に行くとグスタフにつかまってしまった。
「ミナトぉおれにもくれるよね。」
「毎回だけど自分のごはんあるんだろ。」
「それはそうだけど美味しいほうを食べたいんだよ。」
「料理人としての誇りは?」
「俺は元々騎士だ。そんなものはない。」
「わかったから。用意するから。」
って騒いでたら、「あ~また料理長だけ美味しい思いをしようとしてるぞー。」
グスタフの部下は応援を呼んだ。
部下がさらに2人あらわれた。
「グスタフが騒ぐからどんどん集まってくるじゃないか。」
「じゃあついでにこいつらのも頼むよ~。」
「今日だけだぞ。」
「流石ミナト。」
「「「やったー!」」」
こうして追加で肉を焼いてソースも用意してあげることになった。
夕食で提供したミノタウロスステーキに感動したお兄さんは4枚もお代わりされました。




