混乱
「深い、闇ですか?」
はっきり言って、よく分からなかった。
「闇とは、魔族が持っている属性のような物です。我ら魔族は全員少なからず闇の属性を持っており、その大きさで入る軍が決まります。」
レックスが空中に手をかざすと、六つの紋章が現れ、一列に並んだ。
「我が軍、テネブライ騎士団には、六つの師団が存在しています。猛獣の魔物を主とした、ドミトル師団。植物の魔物を軸とした、プラント師団。爬虫類型の魔物の集団、レプティリア師団。海中生物の軍団ウェルテクス師団。不死者の巣窟、デーモン師団。そして、我が軍最強を誇るドラゴン師団です。」
どうやら、空中に現れた紋章は、それぞれの師団のシンボルのようだ。
「救世主クロノ殿には、そのうちの一つドラゴン師団の師団長になってほしいのです。」
「へっ!じ、自分がですか?」
思わず、間抜けな声を挙げてしまったが、今はそれどころではない。
「自分には無理ですよ!第一、前の師団長はどうしたのですか?」
「勇者との戦いの中で、名誉の戦死をとげられました。」
自分の頭の中で、チーンと音が鳴ったような気がした。
これはまずい、どうやら自分は戦死した師団長の代わりをやらされるようだ。
異世界に来て、様々な事がありすぎて、黒野の脳は混乱していた。
「どうか、よろしくお願いします。救世主クロノ殿!」
再び、自分に頭を下げる魔王レックスに黒野は、
「少し考える時間を下さい。」
と言い顔を伏せた。
「ふむ、分かりました。暫く、部屋でお考え下され。」
黒野は、魔物の一人に案内され、部屋を出ていった。




