↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放したんでしょ?楽しく暮らしているからほっといて  作者: だましだまし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/28

ダンジョン探検

ラナはご飯作りや洗濯。

サマナは掃除や宝物の仕分け。

それらをするから留守番をする、と言って残った。


正解だ。

留守番が正解だった。

私は今、自分がいる場をそう思いながら踏みしめている。


ダンジョン『惑いの森』は初級冒険者も潜れなくはないが中級者向けのダンジョンである。

なんなら深くまで潜れば上級者もいる。

私も家族で来た時に潜ったのは一番浅い階層だけだ。

無理に進まなくともこのケーノ大平原には徒歩圏内に初心者向けのダンジョンだってあるのだから。


私は今、そんな中級ダンジョンの最下層にいる。

もはや上級者向けのエリアだ。

いちいち出てくる魔物がデカい。


シャン…ずしゃっっっ…ザシュンッ……ザザ…

ずぅぅぅん………


魔物が倒されると少し地響きが起きてる気がする。

死体が残ったら邪魔だろなとか思いながら宝物に変わるのを暫し待つ。

倒したのは当然ディボラ様。お一人で。

私の剣なんかこの階層だと通じない。

もはや荷物持ち兼お宝回収係としてここにいる。


てか上級冒険者っぽいパーティだってもっと苦戦してるのをさっき見かけたんだけどな。

ディボラ様の魔法が最強過ぎて感覚がおかしくなる。


「せっかく倒してもお肉に出来ないの、勿体ないわねぇ。これだけ大きければ頻繁に狩りに行く必要が無くなるのに…」

そんな事を優雅に仰ってるけど「あんなの私、捌けないです」と心の中で返しておく。

そもそも上手く捌けてたらもっとオークからお肉取れたと思うしね。


「まぁ…アレが美味しいとは限りませんし…」

どこかしら猪のような、カバのような風貌の巨体(多分ベヒーモス)が消えたあとには貴重な魔石と呼ばれる鉱物に素材アイテムの革が転がっていた。

多分何かしらの効果がある革なんだろうなと思いながら鞄に詰める。


「アリアがいれば手荷物を気にしなくて良いから楽だわ」

嬉しそうに微笑まれるディボラ様。

「鞄だけお渡しするのも可能ですよー」とか思っちゃったけどその笑顔は本当に美しく、向けられた事が嬉しい。


同じ令嬢として憧れでもあり、未来の主の予定だったディボラ様。

まさかこんなに強いなんて知りませんでした!

ええ!全く!


「これも鞄に詰めておいてくださいませ!あと袋のお代わりが欲しいですわ!」

知らないと言えばレリアーナがこんなにテンション高くなるのも知らなかった。


いつも物静かで皆をまとめサポートしてくれるレリアーナ。

サマナとはまた違った面で博識な彼女は製薬出来るほど薬や病気について知識があるのでディボラ様の体調をお支えし、相談にのる担当だった。


淑女らしい落ち着いた物腰で慈愛に満ちた彼女はどこへ消えたのか…。

今やダンジョンに生えてる珍しい薬草に夢中な薬オタ…ゲフン、薬草研究者のようである。


ドッゴォォオオオオン…

  ゴゴゴッガラガラガラ…

ザザンッ   ゴォォォオオオオ……


振り返ると、これまた大きい亀…?が燃えていた。

地面の状態から多分爆破か風でひっくり返されて風で切られたけどあんまり切れなかったから燃やされたっぽいな…。


「この亀は初めて見つけたわね!たまに効かない魔法がある個体があって面白いわ!」

キャッキャと本来なら危惧すべき発言をしている…。


「あの…ディボラ様って何種類くらい魔法を操れるんですか?」

「さあ?分からないから今試してるのよ」

「え?!」

「だってこんなに全力で魔法を放てる環境なんて初めてですもの」

燃える材質でもないだろうにゴウゴウと燃え上がる亀もどきを見ながら確かに王都でこれは出来ないなと納得する。


「うち、古いでしょう?だから魔法が盛んな時代の本が家にあるのよ。それで術だけは知ってたの。火と風と土と雷と水、あと使える属性を組み合わせた物は使えるみたい」

それって基本属性全部なんじゃ…。

「傷や病を癒やしたりも出来るんですか?身体強化するみたいに…」

あれば便利だと思っていた魔法を聞いてみる。

「回復は傷が光属性、病は闇属性の魔法みたいよ。身体強化は魔力を体に巡らせて強化してるだけだからある程度の魔力持ちなら多分ほぼ全員が出来るわ」

今や魔法について教えてくれる人は殆どいない。

独学で本から学ばれたのだと思うと改めて尊敬の念が湧いてくる。

「教えてくださってありがとうございます!」

知らない世界を覗いたようで楽しい。


ザザザザザーーー………


燃えてた亀が灰になって崩れ始めた。

崩れ落ちた所からやっと消えていく。

「ディボラ様。私も一応身体強化は出来ますけどディボラ様ほど明らかに強くなれないんです…。コツとかございますか?」

いつから話しを聞いていたのかレリアーナが自信なさげな表情でディボラ様に質問した。

魔法について聞ける機会なんてそうないし使える分、私より知りたいよね。


「あぁ、魔力の量に準じて強化されるから当然よ」

「え?魔力の量?」

「王都の魔法組織の人たちと比べても私だけ並外れて力持ちになるもの」

「「……なるほど…」」

さすが国随一の魔力持ちは違う。


「帰りと小屋の補充分の魔力は残しておいてくださいね…?」

もう、小屋を維持する魔力さえ残しておいてくれたら好きにしてもらおう。何も言うまい。


「もう補充はしてきたから大丈夫よ」

………何も言うまい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。