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追放したんでしょ?楽しく暮らしているからほっといて  作者: だましだまし


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10/28

慣れてきた

森の中の探索も一週間ほど過ぎると慣れてくる。

レリアーナが以前教えてくれた木の実を見付けたのでそれもお土産に今日の戦果を持ち帰った。


「アリア、おかえりなさい」

出迎えてくれたのはラナとサマナだ。

木にロープを張って洗濯物を干していたらしい。

「ラナってば下級使用人の仕事まで把握してたみたいで教えてもらったんです」

何かと器用なサマナはテキパキと干していく。

「教えたというほどでも…ドレスとか難しいのは流石に無理ですけど下着や簡単な服の洗い方は非常時の時に必要になるかもと念の為学んでおいたんです」

嬉しそうに照れながら謙遜するラナ。


料理に洗濯…何気にラナが居なければこんな快適に過ごせて無かったなと思いつつ今日の獲物を解体するため鞄から取り出した。

「きゃあ!」「うわあっ!」

二人が悲鳴を上げるのに驚いて辺りを見回す…けど異常はない。


「そ…それ…」「まさか…人…?」

ラナはガタガタ震えてるしサマナも顔色が悪い。

視線の先は今日の獲物だった。

「これ?これはオークって魔物よ。結構普通に食べられてるけど聞いたこと無い?」

二足歩行の豚の魔物だけど首は落としてきたから人に見えたらしい。

蹄の手(前足?)を見せるとサマナは明らかにホッとしていた。


オークと聞いて興味を示したのはラナだ。

さっきまで震えていたと思えないくらい目をキラキラさせている。

「オークってあのお肉の『オーク』ですか!?」

魔物の肉は高級な物が多いがオークの肉は比較的簡単に狩れるので流通量が多く一般的な価格で売買されている。

流石に飼育で増やせる豚よりは高いがその肉質は豚よりも柔らかで脂もしつこくなく美味しい。


「こんな見た目だったなんて…」

げっそりとした様子でオークを見つめるサマナ…うん、確かに見た目は人っぽさもあるしね。

下半身の毛が少し濃くて茶色いから一見ズボン履いてるように見えるのがこれまた食欲を失せさせる要因だと思う。

ラナにはもう食材にしか見えてなさそうだけど。


「オークの話しをしてましたか!?」

ドタバタと外に飛び出してきたのはレリアーナ。


彼女はなんと製薬グッズを持参していた。

摘んだ薬草やら何やら組み合わせて毎日楽しそうに回復薬とかを作っている。

「それ!オークなんですね!オスですか!?」

「オークはほとんどがオスらしいから多分…」

「じゃあ睾丸下さい!」

「「「ぅえぇっ!?」」」


淑女らしからぬ単語に思わず半分悲鳴な声を上げてしまうがレリアーナはお構いなしだった。

手を組み目をキラキラしながら空を見上げ祈るように

「上位の滋養強壮薬を作れるなんて…!神様ありがとうございます!」

だなんて感謝までしている。

流石にピンポイントでそこを採るの、ちょっと嫌だと渋ると自分でやると言い出した。


ナイフを渡すとためらうこと無く股の辺りをかっさばく。

「コレコレ、もう一個どこかなー♪」

グリグリと切れ目に手を突っ込んで何やら水色っぽい玉を取り出した。

ゆで玉子の黄身が青みを帯びた白になった…みたいな見た目と大きさだ。

「それが…睾丸?」

体内にある事にも驚いたけど、もっとグロいのを想像していたので全然違うことに少しホッとする。

ラナとサマナも同様らしい。


「これの乾燥させたものやアルコール漬けって魔法薬作りでは定番なんですの!採りたて新鮮なものは薬効も強いらしいですから出来上がりが楽しみですわ!」

嬉しそうに二つの水色っぽい玉を持って小屋に戻っていく。


「レリアーナ…あんな性格だったっけ…?」

「うーん…」「楽しそうでなにより…」

ポツリと漏らすと二人もポソリと返してくれた。


オークを捌くのを手伝ってくれると言うので三人で捌いてるとディボラ様も帰ってこられた。

何やらギッシリ詰まった袋を持っていらっしゃる。

「おかえりなさいませ…ってお一人でどこへ行ってらしたんですか?」

サマナが袋を受け取ろうと手を出し出迎える。

「ちょっとダンジョンへ行ってみたの。これ、とても重いから私が運ぶわね。中身の仕分けを手伝って欲しいのだけどサマナを連れてっていいかしら?」


こっちは肉の切り分けサイズの確認が出来るラナが居てくれれば充分なので「もちろんです」と了承する。

お一人でダンジョンへ行くなんて危険な事を…誰か止めてよ…とモヤモヤ考えていると「いないと思ったらなんて危険な…」とラナが青い顔をしながらブツブツ言っていた。

「まさか…黙って行かれたの?」

「ちょっと散歩に行くわと…まさかダンジョンへ散歩に行くなんて…」

「………。どんまいっ」



ディボラ様…ちょっとタガが外れすぎてはなかろうか…。


でも笑顔が増えていらっしゃるのも確か。

サッサと捌いてどんな所か話しを聞こうとラナを元気付けつつ私はオークを捌いていった。

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