10/10
六
そこには、少しのさびしさもふくまれていました。
渡り鳥は
ここにとどまるわけにはいかないからです。
そして
その日が来ました
「大木さん、いろいろとありがとうございました。」
「渡り鳥さん、気をつけて。また、元気に戻ってきてください」
はるかかなたの空に
渡り鳥のむれが
飛んでいました
渡り鳥は、つかんでいた枝を、そっとはなしました。
そして
渡り鳥は
空へ飛び立っていきました。
やがて渡り鳥の姿が
空の小さな点になったとき
大木の枝が
かすかにゆれました。
そして
一枚の葉が
ゆっくりと
空へまい上がりました。




