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棒きれと渡り鳥  作者: 水翔
棒きれと渡り鳥
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大木だった棒きれと渡り鳥のふれあいの物語です

静かにうねる波間に、一本の棒きれが浮かんでいました。

もう、長い間浮かんでいたらしく、芯まで海水がしみ込んで、ぼろぼろになっていました。

(ああ、このまま朽ち果てるのか)

棒きれは、空を見ながら悲しく考えました。

空は青く澄んで、渡り鳥たちが群れをなして飛んで行きます。

それは、いかにもかろやかな感じで、棒きれはとてもうらやましく思いました。


ところが、急にその中の一羽が群れを離れて降りて来るではありませんか。

何事かと見ると、どうやらその鳥は、ひどく疲れていてもう飛ぶことができないようでした。

落ちまいと一生懸命に羽をはばたかせているのですが、それは弱々しいものでした。

「早く私の上にお乗りなさい」


そのままでは海に落ちてしまうと思った棒きれは、いそいで声をかけました。

すると、渡り鳥は気付いたのか棒きれの方へやってきました。

そして、その上に乗ると、疲れたように羽をたたみました

「とてもお疲れのようですね」

「ええ、これは私の初めての旅なのです。

それでなれない事が多くて、すっかりまいってしまったのです」

「それはたいへんでしたね。しばらく休んでいくといいですよ」

「ありがとう。棒きれさん」

渡り鳥は安心したように、ほっとため息をつきました。

「いいえ、お礼には及びません。

私は長い間一人ぼっちだったので、話し相手ができて喜んでいるのです」

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