アルコールに替わるものを見つけて継続している
アルコールを断ち、安アパートに引っ越した私は即、職探しを開始します。私の職業は診療放射線技師です。ハローワーク・インターネットサービスから東大宮駅にある整形外科の求人を見つけ出しました。
パート雇用で時給は1500円か1600円でした。 履歴書を書いて送付すると、即面接日程が調整されて行ってきました。
『相当にいい加減な整形外科クリニックだなぁ』が第1印象でした。おそらく採用通知が送られてくるだろうと思っていたのですが、結果は不採用でした。
なぜ不採用になったのかはわかりませんが、この当時の私の瞳には覇気が無かったと思います。
断酒してから、次は職探し、面接、不採用という連鎖は往々にして聞きます。この不採用に『何でだろうか?』という思いを持っている方が多いのも知っています。
不採用の理由は簡単です。あなたの瞳に輝きがないのです。
不採用通知と共に私が手書きした履歴書も同封されて返されてきました。履歴書には記入した日時も書き込んでいますので再利用するなら早々に次なる求人を見つけ出さなくてはなりません。
ここで私は今まで使った事がない路線にあるクリニックの求人募集に履歴書を送ったのです。
パート雇用 時給は2000円でした。
結果から書くと即、採用されたのです。
採用された理由は現職の方のスキルが足りない。新規でクリニックを建てていてMRIを初めて導入する。職場環境があまりよろしくない。
ごくごく普通の転職を目論んで募集にくる人がいなかったのでしょう。
この職場で1年間はパート職員として雇用され2年目からは正社員となります。
正直に書くとこの職場は最低でした。オペ中に患者を死なせる。くも膜下出血の画像を見落とす。それにケチにも程というものがあるだろう。
わずか2年で退職するのですが、この2年間で私の人生に今まで全く無かった趣味の世界に没入することになります。
働き始めて1年目の8月でした。たまたまテレビ中継されていた女子バレーボールの世界大会を見ていました。この時のアナウンサーの言葉「火の鳥NIPPONの新しいセッターはこの春、高校を卒業したばかりの18歳!」
この初々しいセッターに会ってみよう!と行動に移しました。この年の国体は東京開催であり、女子バレーボールの会場は東京都羽村市でした。
安物のデジカメを持って朝、8:00には羽村駅に到着しました。彼女の所属チームは第4試合でしたので開始時間は夕方の4:00です。
粘りましたねぇ〜最前列から離れずに試合開始まで耐え抜いた。
アルコール依存症者は意地がある。頑固である。継続性がある。だからアルコール依存症になる。
宮下遥選手のファンになりました。毎週、土日に行われるVプレミアリーグ観戦に没頭していくようになり、『せっかく試合を観に行くのだから写真撮影しよう」になります。
スポーツ選手をデジカメでは撮影できません。動きが早い被写体を撮影するのならば一眼レフカメラは必需品です。
安アパートにはエアコンはありませんでしたので、与野にあるデンキチにエアコンを買いに行ったのですが、店から出てきた時にはエアコンではなくキャノンIOSのカメラを買っていました。
酷暑を乗り越えて女子バレーボール観戦を選んだのです。辛かった夏!
この日から今日に至るまで『日刊 宮下遥』は続いています。
私はアルコールに替わるものを見つけたのです。




