タイトル未定2026/05/20 06:57
寺を出た後、商店街をのぞきながら歩いた。
「神社に興味があった?」
マスターの問いに、流花は答えた。
「神社に興味があったって言うより、どんな風に建てられているのか、神社の建造物に興味があって」
「さすが、建築科に通っているだけのことはあるね」
「なかなか観る機会がないから。でも人が多すぎて、あまり観れなかったな」
「凄い、人でしたね」
繁華街は、何処に行っても人だらけだった。
マスターと流花はバスに乗って、次の目的地へと進んだ。
バスを降りると、繁華街から外れた、小さいながらも本格的な遊園地だった。
園内に入ると、マスターが言った。
「大門が遊園地に行っているので、ちょっとボクも行ってみたくなりました」
「もしかして、遊園地初めて?」
「はい。流花は?」
「私も初めて!」
「そうなんですか!」
マスターは嬉しそうに、声を上げた。
園内のパンフレットを観ていたマスターは、流花に聞いた。
「何に、乗りますか?」
「う〜んと。あれっ!」
猛スピードでアップダウンをして狭い園内の中を駆け抜けるジェットコースターを、流花は指差した。
ジェットコースターを見上げたマスターは、少し情けない声を出した。
「あれ……ですか。あれは……又、別の機会にしましょう」
「え〜っ、乗ろうよ!」
流花はマスターの腕を掴むと、走り出した。
ジェットコースターを乗り終えたマスターは近くのベンチに座り、大きく息を吐いた。
流花はマスターの隣に座り、心配そうに言った。
「マスター、大丈夫?」
両手を両膝に置いたマスターの肩が、小刻みに震えだした。
「もぉ、マスター最初は怖がっていたのに、ジェットコースターに乗っている間ずっと笑っているんだから!」
「すみません。なんか、笑いが止まらなくなって」
思い出したように、マスターは笑い出していた。
周りの視線に気になった流花は、マスターに声をかけて、ベンチから立ち上がった。
ただでさえ、高身長なマスターと流花。
流花は少し厚底サンダルを履いていて、マスターとさほど身長が変わらない。
薄手のパーカーを羽織っているものの、肩や腕や腹部が露出された黒色のノースリーブを着ていた。
先程周囲から、好奇の目で見られていた。
そのことに気がついた流花は、慌ててマスターの腕を取って足早に歩き出した。




