無才と呼ばれた男、異世界へ行く
初投稿です!趣味でやっています!
「お前に才能はない」
5歳の頃、俺は父親にそんなことを言われた。
確かに、五歳になるまで、「君才能あるね」とか「凄い!天才!」とか、言われたことがない。
音楽も、絵も、スポーツも、料理も……才能がなかった。
俺、小林悠真は、無才である。
34歳、独身、才能はない……仕事は、コンビニでアルバイトをしているニートである。
元々俺は、芸能一家の一人だった。
だが、五歳の頃、父親からの一言によって家族から見放された。
話しかけても無視され、朝昼夜も一人で自室で食べるように言われていた。
そして18歳になった俺は家を追い出されて、仕事もすることなくただアルバイト一本で生きていた。
そして16年が経ち、年齢と彼女いない歴が同じという現実が俺に降りかかった。
恋人ぐらい欲しかったものだ……まぁそうだよなぁ。
仕事もしてないフリーランスで、才能がない奴と結婚したやつは、未来などない。
ただ迷惑が掛かる……相手方はそう思う人が多いだろう。
そんな俺は、もう生きることがつらくなっていた。
そんな俺は、ある日突然吐血した。
多分、病気かな?っと病院に搬送されたのち、医師からこういわれた。
「お伝えしにくい内容なのですが……余命があと半年です」
俺はその言葉が受け入れられずにいた。
原因は、肺がんであり、ステージ4なのだという。
抗がん剤や手術で治る可能性があると言われたが、今の俺が生きても苦しくなる。
なので生きるという選択肢は、無かった。
家に帰った俺は、考えた。
一応医師には考えますと言って帰ってきたが……このまま悔しい思いをしながら半年も生きるのは嫌だ。
なので俺は、自殺しようと思い森に出かける準備に取り掛かった。
森なら首吊りしても誰にも迷惑は掛からない。
「さて、行くか」
リュックに縄を入れ、台座を持って森へと向かう。
そこで首をつって死ぬ……手筈だった。
キキキー!!!!
「ん?——ッツ!?」
車のブレーキの音と共に、突然衝撃を受け体が吹き飛ぶ。
地面に叩きつけられた俺の体は、動かなかった。
ただ意識が朦朧としていた……俺はもしかして車に轢かれたのか?
駆け寄ってくる人の姿、煙を吹く車……ぼやけているが、少しずつ閉じる視界に映っていた。
あぁ、癌のせいでもなく……交通事故で、俺は死んだんだ……いや、死ねたんだ。
視界が完全に真っ暗になり、意識が暗闇に落ちていく。
……風の音、草木の匂い……え?
「……どこだ?ここ?」
目を開けると、そこは森の中だった。
日本ではありえない程の大きな木々、木の上に止まっている小鳥の色も少し……いや、日本では考えられない。
もしかしたら地球でもこの光景は見れないかも。
っていうか俺死んだよな?自殺しようと思ったら車にはねられて……なんで生きてるんだ?
……鏡が無いから、自分の顔がどんなもんなのか分からないけど……体は軽いし、柔らかいし、なんというか体力がある気がする。
服もだぼだぼな部屋着ではなく、ファンタジーものに出てきそうな服にフード付きのローブを羽織っている。
【転生の成功を確認。特性:鬼才を付与しました】
すると脳内に声が響いた。
鬼才?なんだそれ?
突然聞こえてきた声に、返ってくるか分からない疑問をぶつける。
すると脳内に、俺の疑問の答えが返ってきたのか声が響く。
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・鬼才(固有特性)
固有の特殊な性質。
魔法、武法、産法など、どの系統スキルでも、習得または獲得しやすくなる。
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……え?特性?
魔法とも書いてあるけど……もしかしてここは俺の知っている世界ではないのか?
つまり異世界?……ほんで、さっきから聞こえる声……女性で機械音声に聞こえるけど。
誰や?
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・人工知能
意志を持ち、持ち主の生活をサポートするユニークなスキル。
持ち主と会話が出来、スキル、魔物、政治、恋愛と様々なことを教えてくれる。
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……なんかズルいのばっかりだな。
まぁでも、なんかそんなズルいことしてたら、人生楽勝になっちまう。
出来るだけチートを使うのはよしておこう。
にしても異世界か……戦えるのか?
異世界ってきてイメージするのは、魔物とかいる気がする。
スキル:人工知能にそんなことを聞いてみると、普通に返ってきた。
【安心してください、一応主にはある程度戦える様に、最初からレベル3の剣術とレベル2の火属性魔法と風属性魔法を与えられています】
ふ~ん……え?すでに持ってるの!?
それに魔法が使えるのか!
もしかして、危険な生物とかいる?
【います。この世界では魔物と呼ばれています。魔物に関する知識をお教えしましょうか?】
いや、今は良い。
とりあえず……町を探さなきゃ。
あ、教えるなよ?なるべくチートを使わない様にしてるから。
「ん?……これって剣か?」
ふと自分の腰から、鞘に入った剣がかかっているのに気が付いた。
鞘から抜いてみると、鋼色の綺麗な剣身が現れ、俺の顔が反射して映る。
「……不思議だな」
剣を持っていると構え方、振り方、そして技の使い方が分かる。
これがスキルの力か……すげぇなぁ異世界って。
今レベル3の剣術スキルで使える剣技は、レベル1とレベル2のと含めると、九つある。
とりあえず九種類の剣技を使いつつ、レベル2の火属性魔法と風属性魔法も組み合わせて森を抜けよう。
こうして才能がないと無才だと言われた俺が、まさかの異世界に転生して鬼才になる。
さすがに予想してなかった。
まぁでも才を手に入れたわけだし……異世界、満喫しますか!
これから先、俺の目の前にどんな冒険や困難が待っているのか楽しみだ。
これは無才と呼ばれていたが、異世界で鬼才になった男が、のちに”王”となり、世界を導くお話。
ありがとうございました。
これいいなとか面白いと思ったら感想をください。
二話目は、書き終わり次第、載せたいと思います。




