先客
公園には先客が居た。
「おい、この世界ってアイツしか居ないんじゃなかったか?」
蛇が待ったをかける。
少女は立ち止まって蛇をみる。
「ええ、確かに少し怪しいわね」
水神さんは夜空猫の言葉に同意します。
少女はとりあえず枝を構えます。水神さんの力で守って貰えるようにします。
公園に入るとブランコを漕いでいた先客がこちらを見ます。
ニタァと嫌な笑い顔のその人は会ったことは無いのにどこか見覚えのある顔でした。
「待ってたよ、天」
しゃがれた声で少女の名前を呼びます。
「どうして嬢ちゃんの名前を知ってやがる」
蛇が、シャーと威嚇します。
「何故って?フフフッ」
蛇の言葉が面白いようで、奇妙な笑い方をしたと思えばスンといきなり真顔になります。
その変わりようが不気味で少女は後ろに後退ります。
先客は掌を胸の前に構えるとフッと、ハートが現れます。
それは少女のWHITE・HEARTに似ていますが明らかに違う点がありました。
先客の持っているハートは真っ黒なのです。
どす黒く、色んな色が混ざった色をしています。
「これが何か分かるかい?」
先客は猫背の姿勢でブランコから立ち上がります。
少女と同じショートヘア、少女の面影のある顔。
しかし、陰鬱とした雰囲気を醸し出しています。
「WHITE・HEARTさ」




