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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
最終章 西洋連合の軍事大国

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第82話 容赦なき破壊

 アーセナルシップ。皇国語に直すならば兵器庫艦とでもなるだろうか。

 戦闘用レーダーやらソナーやらのセンサー類を搭載しない代わり、対地攻撃用の大量のミサイルを搭載した最新鋭の戦艦。

 共同交戦能力の開発が進んだことによって、データリンクシステム以外のこれら電子機器類を全て排除することが可能になったのだという。


 美空みくとマルファは今回の作戦を実行するにあたり、この戦艦に目を付けていた。

 データリンクシステムから制御系を乗っ取り、船いっぱいに満載された兵器を一斉に発射させる。これならば手間も時間も最小限で最大の効果が期待できる。


 そして、その結果は予想を上回るものだった。


「一瞬で火の海になりましたね……」

『そうだね。ちょっとびっくりしたよ……』


 沖合から放物線を描いて港に着弾したミサイルは、周辺一帯を瞬く間に炎で包み込んだ。さすがはユナイタルステイツ軍の誇る最新兵器。


「さて、どんどんいきましょう」

『うん、次もハッキング済みだよ』


 だが、この程度ではまだ足りない。

 魔法能力者の脅威を知らしめるためには、もっともっと力を示さなければ。


 続けてイージス艦や駆逐艦、原子力潜水艦からミサイルを飛ばす。

 数秒後、それぞれの軌道で軍港のコンテナエリアに着弾。

 中に保管されていた火薬が暴発したのか、コンテナが爆煙とともに吹き飛んだ。


 更に追い討ちをかけるように、港の敷地内に設置されていたパトリオットミサイルを発射機ごと爆破。


 ここまでやれば、軍港内の兵士たちは全員死んだか行動不能となったはず。


『美空って意外と冷酷なんだね?』

「それはマルファさんも同じではないですか?」


 お互いに言って、少し微笑みを浮かべる。

 もちろんスマートウォッチで動くプログラムに過ぎないコピーAIのマルファに表情など無いが、美空には彼女が笑っていると自然と理解できた。


『そろそろ準備しておく?』

「そうですね、お願いします」


 投げかけられたマルファのざっくりとした問いに、こくりと頷く美空。

 作戦の第一段階は十分達成したと見ていいだろう。ならば次は第二段階。


 マルファが近くの防犯カメラを動かし、向きを変える。

 画角を調整して、火の海をバックに美空の姿を中心に映す。

 そして。


『接続完了っと。いつでもいいよ』

「では、お願いします」

『十秒前。九、八、七……』


 おもむろにカウントダウンを始めるマルファ。

 減っていく数字を聞きながら、美空は息を整えてカメラを真っ直ぐに見つめた。

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