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味方を殺した罪で事実上追放された私は、死んだと見せかけて旅に出ることにしました 〜生きているとバレて戻ってくるよう命令されてももう遅いです〜  作者: 横浜あおば
最終章 西洋連合の軍事大国

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第78話 オリビアの決断

 しばらくの暗く重い沈黙の後、美空みくはオリビアの目を真っ直ぐに見つめ、静かに語り始める。


「……私は、皆さんにこの先ずっと幸せに生きてほしいと願っています。そのために、これから私はこの世界に反旗を翻すつもりです」

「反旗を? それってどういう……?」


 首を傾けたまま疑問符を浮かべるオリビア。

 美空は小さく頷いて説明を続ける。


「今現在のこの世界は、魔法能力者の扱いが決して良いとは言えません。むしろ、若いうちから戦争に駆り出されたり、その力を誰かの利益のために搾取されたり、都合よく道具のように扱われているケースの方が多い。だから、そんな世界を変えてしまおうと考えたのです。私たち魔法能力者が自分らしい人生を送れる、魔法能力者中心の世界に」


 このことを彼女たちに伝えるのはかなりのリスクがある。

 でも、自分が何をしようとしているのか、何をしにここへ来たのか。

 それは伝えておかなければならないと思った。


 そして、彼女たちの賛同を得られれば作戦にも有利に働く。

 果たして、ユナイタルステイツの魔法少女たちはどう感じただろうか。


 美空の話を聞き終えたオリビアは、少考してから口を開いた。


「つまり美空さんは、魔法能力者至上主義を掲げて、世界を敵に回そうとしているんですね?」

「魔法能力者至上主義、ですか。いいですね、その響き」

「いや美空さん。そんな呑気なこと言ってる場合じゃなくて。……本気なんですか? それを実行したら、私たちとも戦わないといけなくなりますよ?」

「だったら、私の側につけばいいではありませんか。この作戦は、オリビアさんにとっても悪いものではないと思いますが」


 さて、オリビアはどんな決断を下すのか。

 こちらの味方になってくれるのが一番理想的な展開ではあるが、敵対してしまうことになってもそれは仕方ない。彼女たちの意思は尊重されるべきだ。


「確かに、私は魔法が使えるからという理由だけで軍に従事させられてます。もし魔法が使えない普通の女の子として生まれていれば、もっと別の人生があったんだろうなって思います。……私は、美空さんを信じたい」


 決意を持って向けられた、強い力を感じる瞳。

 続けて、エイヴァ、ルナ、ソフィア、シャーロットも無言で首を縦に振った。


「皆さん、ありがとうございます……!」


 ユナイタルステイツ軍の魔法少女たちは、美空と共に戦うことを選んだ。

 ならば、自分にやるべきことはただ一つ。


「私は、この作戦を絶対に成功に導いてみせます」


 オリビアたちの協力を取り付けてからすぐ、美空の腕のスマートウォッチが震えた。


『まさか私がいない間に、ユナイタルステイツ軍の子たちを仲間にしちゃうなんてね。美空はやっぱりすごいなぁ』


 天才科学者マルファ(正確にはそのコピーAI)が、情報収集から戻って来たのだ。


 急に流暢に喋り出した機械に驚いた様子の少女たちにマルファのことを紹介し、マルファにも五人を紹介する。




 これで役者は揃った。

 いよいよ、美空とマルファ、オリビアたちユナイタルステイツの魔法少女による世界への反逆が始まる。

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