第0話「アタリアタリアタリハズレアタリアタリ」
初投稿です。これから思いつく限りは投稿していこうと思いますので、ぜひご指導ご鞭撻、ご意見、ご感想など様々なコメントお待ちしております。誤字脱字等の指摘も大変ありがたいのでよろしくお願いいたします。
異世界転生および異世界転移、それはオタクの憧れ。今とは違う世界でチート能力を手に入れ、世界を救う旅に出る。その過程で素敵な異性と出会いハーレム生活、そんなウハウハ生活を夢想する人も多いだろう。
だけどそれはアニメや小説やの中でだけで、まさに夢物語。実際はもっと世知辛い。
授かったチート能力がアタリだった場合は夢のような異世界生活を、しかしハズレ能力だった場合は…ただ単に現世より過酷な世界での生活が始まるだけである。
これはそんなハズレ能力者が、どうにかこうにか異世界を生き抜く物語である。
俺の名前は新藤あたる、華盛りの高校二年生で天下無双のなんとやら。例によってトラック事故に巻き込まれ例によってそれは異世界の女神の失敗なので一緒に死んだ他のやつらとともにチート能力を貰ってその世界で新しい生活をさせてくれるっていう例のやつの真っ最中だ。
「まぁそういうことなので、皆さんは手違いでコロッと逝っちゃったので今差し上げたチート能力を存分に使って異世界を満喫しちゃってください!!」
目の前にいる自称女神なんの悪びれもせずペカーッ!!と後光を輝かせながらそう言った。
「勇者!大賢者!武神!振動!竜騎士!聖女!稀にみるアタリ能力のオンパレードですよ!この能力があれば異世界でのウハウハ生活は保障されたようなものです!!」
ムフーッと鼻を膨らませながら胸を張り偉そうにする女神。
「ちょっと待て勇者、大賢者、武神、竜騎士、聖女っていうのはなんとなく分かる、でも俺が貰ったこの【振動】って能力が全然判らねえ。【神童】の間違いか?俺だけ子供からっていうのは癪だがそれはそれで・・・」
「いえ!神童じゃなくて振動です!文字通りあらゆるモノを振動させることが出来る能力です!正直他の方がここまで露骨にアタリ能力なのでごまかせるかと思いましたが完全なハズレ能力です!へへへ」
IQの低そうな笑顔で爆弾発言をする女神。
「ちょ、ちょっとまて!そんなただのチート能力あり得ないだろ!他の奴らみたいに勇者とか!大賢者とか!そういう異世界っぽいのをくれよ!バイブって!異世界でそんなピンクローターみたいな能力あんまりだろ!!」
「こら!女神の清らかな耳にピンクローターなんて卑猥な単語入れないでください!罰が当たりますよ!」
「いや現在進行形で罰が当たりまくってんだよ!!取り消せ!再抽選だ!再抽選を要求する!」
「残念ながら能力が与えられるのは例によって一度きり!残念無念また来世!ってやつです!」
べろべろばーっと短い舌を突き出し、最終宣告を俺に突きつける。
「そんな…せっかくチート能力貰って異世界でハーレムを!!だと思ったのに・・・・」あまりの失意に膝から崩れ落ちるあたる。
「女神様、彼ここまで落ち込んでるわけですし、なんとかもう一度」
アタリ能力勇者を引き当てた女性と見間違うほど整った顔と華奢な身体の少年が女神に抗議を入れる。
「おお!女みたいな顔してモテそうだからいけすかねえって思ってたけどお前いいやつだな!!ほら勇者様もこう言ってるぞ!」
馴れ馴れしく勇者に肩を組みながら講義をするあたる。
「あらせっかく勇者という一番のアタリ能力を引き当てたのに手放すんですか?」
「え?」
「だって一緒にチート能力を得たんだから、もしもう一度やるなら全員再抽選ですよ!次はあなたがピンクローターかも知れませんねぇ?ひっひっひっひ!」
「そ、そうだとしてもこんな不平等は・・・」
勇者がそう言いかけたとき、大賢者を引き当てた少女が待ったを掛けた。
「ちょっと待ってあーしは反対ぃ!大賢者って良く判んないけどぉ、どう考えてもアタリっぽいしぃあーしは再抽選反対ぃ!」
「右に同じ。武神というチート能力は自分を現世では一生掛かっても到達できなかった高みへと連れて行ってくれるだろう」
「オレ、竜に乗って空を飛ぶのがの夢だった。オレ、竜騎士なりたい」
「ワタシは、あの聖女って柄じゃ・・・で、でも、その、あの・・・皆さんの意見に合わせます・・・」
他の4人の意見を聞き女神は満足そうに一度うなづくと
「決まりですね!それでは楽しい異世界ライフを!!」
足元に一段と強い光が集中し、魔法陣が現れる。
「ちょっと待て!まさかお前このまま向こうに送るつもりか!!」
「そんな!まだ話はついてないですよ!」
「まぁまぁ勇者様も向こうで王女様とベッドで語らえばここでの些細な一件なんか忘れちゃいますよ!さぁ他の方々はもう旅立たれましたし勇者様もお早くどうぞ!」
そういって女神がパンと一度手を打つと他の4人同様、勇者は足元の魔法陣に吸い込まれていった。
「この性悪女神が!こうなったら例によっててめえも向こうの世界へ道連れにしてやる!!」
そういってあたるは女神に飛び掛かったが、腕は虚空を掠めた。
「な!?なんで?」
「どこぞの間抜けな女神が道連れにされたと聞きましてね。念のために対策をしておいたんですよ!!ふふん私は女神の中でも賢い方なのです!」
そういながらもう一度柏手を打つ女神。
「それでは新藤あたる様、よい異世界ライフをお過ごしください」
「ちくしょおおおおおおおおおおお!!!!」
魔法陣に完全に吸い込まれるのを確認した女神は肩をゴキゴキ鳴らしながら
「まったく疲れる人でしたね・・・しかしピンクローターとは言い得て妙ですね。ふふふ、まぁでも一応は祈ってあげますか・・・二度目の人生に幸多からんことを!」
女神の唇から紡がれた言葉は誰の耳に届くことなく、一陣の風に乗って消えていった。
これはハズレ能力を引いてしまった少年、新藤あたるがどうにかこうにか異世界を生き抜く物語である。
次回から本格始動です!更新したときはぜひぜひ読んでやってください。よろしくお願いいたします。




