↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『鐘哭(しょうこく) ― 山奥に響く死の音 ―』  作者: こうた
第三章「鐘哭都市(しょうこくとし)」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/58

第十一話「新しい起点」

静寂は、長くは続かなかった。


完全な無音のあとに訪れるのは、破壊ではなく“再開”だった。


ゴォォン……


小さく、しかし確実に。



---


その音はもうどこから来ているのか分からない。


空でもない。


地面でもない。


誰かの内側でもない。



---


ただ「ある」。


それだけだった。



---


白い影は消えていた。


穴も、収束点も、未定義領域も。


すべては閉じたはずだった。



---


それでも世界は続いている。


駅は動き、都市は呼吸し、人々は生活している。



---


だが違う。


何かが“わずかにずれている”。



---


信号が変わる瞬間。


一拍だけ遅れる影。


言葉の終わりに混ざる微かな余韻。



---


青年はもういない。


その代わりに、どこかで“別の存在”が目を開ける。



---


ゴォォン……



---


山の奥。


かつての神社跡。


そこに、ひとつの円が再び浮かぶ。



---


しかし今回は鐘ではない。


まだ“名前を持たない構造”。



---


その中心に、小さな声がある。



---


『……聞こえるか』



---


誰に向けた声でもない。


それでも確かに届いている。



---


都市の片隅。


駅のホーム。


ビルの屋上。


すべての場所で、同じ問いが重なる。



---


『聞こえるか』



---


ゴォォン……



---


その音に呼応するように、世界のどこかで誰かが立ち止まる。


理由は分からない。


ただ“気づいてしまう”。



---


鐘は終わっていない。


ただ、形を変えただけだった。



---


そして、新しい“最初の聞き手”が生まれる。



---


第三章・最終話


「まだ鳴っている」へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。