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町暮らしの根無し草は請負猟師の白昼夢を見る

活動報告にも一応出しました。

 はいどうも、天幕から木賃宿住まいに切り替えても

所詮は根無し草のテツヤです。あれから事実上の所持金無限チートを

セコく使っては舐めプの週三日労働。貰って増やした銀貨ケセフ

こっちじゃそんな高額な貨幣でもないせいか嵩張ります。


「しかしこの村(?)…かなり酒が高いですねぇ…」


 どうせ嵩張るんだから飲んじゃえと使うのですが…ここの宗教が

どうにも神は偉大なりor御仏の云々だから禁酒教に似てるせいか

飲酒に厳しい料金設定。嵩張ってたはずの銀貨がアホみたいに消えていきます。


「アガメムノム郡ウルティマ市でしたっけぇ…?」


 村だと思ってたらここは市だそうです。あと(聞いてもいないんですが

無視するわけにもいかないので)ササンテラプト朝パルシヤラーマッカ王国の

シャビーブ=アドラズダ中位教導師ワサトムフティー管轄領なんだとか。

まぁ兎も角そのウルティマ市で毎日だらだらと週三日の日雇い労働者生活を

やってたんですけれども…


「おい、流民の…いやティエーツァ?」

「テツヤです」

「あぁそうそうテツヤーなテツヤー…お前、まだ日雇い暮らしなんだって?」

「そうですけど?」

「おいおい…あー…まぁしょうがねえよな…聞いてないっぽいし」


 何だかとても嫌な予感がします…。


「しょうがねえから教えてやるんだが…そろそろ定職就かないとヤバイぞ?」

「………」


 どうやらここでもフリーターは良く思われないのですねぇ。


「具体的に言えば誰かに雇われてる又は仕えてる証明を立てられなきゃ…

お前…労役者ラキーク扱いされるぞ?」

「らきーく?」


 耳触り言葉的には小気味良いのですが…この感じは不穏ですねぇ。


「このままだと憲兵局にしょっ引かれて奴隷に近い扱い受けるって言えばどうだ」

「うげっ?!」

「…見た感じ戦えそうじゃなさそうだが…俺んとこの兵舎長に口利きしようか?」

「…そ、それはありがたい話ではあるんですが…」

「ああ、知ってた」


 この国はニート系に情け容赦無いようですねぇ…。


「で、どうするよ?」

「…他に口利きできる所とかありますかねぇ?」

「それも予想してたわ」


 …。


 そんなわけで最初に私に話しかけてくれた僧兵? のアサードさんに頼んで

流民(という扱いになってる)の私でも出来る定職を斡旋してもらうことに。


「そこに来て…いわゆるハンターギルドですか」

「はんたーぎるどってのは知らんが、請負猟師ケセフアゴニスタの仕事なら大概の階級が就けるし、

頑張ればそのまま貴族パラシャ戦士族アゴニースタに仕えられたり成り上げてもらえたりと

結構なチャンスがあるぞ。仕事内容は命がけが多数だが」


 知ってた。主にサブカル小説とかで。


「乗りかかった船だし、登録手続きとかも面倒見てやるよ」

「それは…どうもありがとうございます」

「…なぁテツヤー? お前さんって単なる流民じゃなさそうだな?」

「ふぁ? 何を根拠に?」

「語彙の多さに異郷とはいえ礼儀振る舞いとかよ…?

実はテツヤーって大国の落人だったりするのか?」

「えぇー…?」


 まぁ…失礼な態度をとらない様にというか…昔とった職業病キネヅカというか…

かと言ってへりくだり過ぎるのも云々としてましたけれども。


「まぁ、そういうのは聞かないけどな。俺は知識人ウラマーでもないし、

ましてムフティでもないし」

「まぁ…お話しても正直理解に苦しまれそうですので私も言いませんが」

「……賞金首とかだったら今のうちに言えよ? 弁護くらいはするからよ」

「それは無いです」


 悪いこと出来たら公園暮らしなんぞしてませんよ。


 他にもグダグダとアサードさんと飯食いながら話したりしましたが割愛。


 …。


 そんなこんなで、私はアサードさんの口利き+で新人請負猟師として

ウルティマ市での正式滞在権を得ることが出来ました。市民権は

パルシヤラーマッカ王国の国教である天一神アハドシュミーネリ教改宗か

二級以上の納税で得られるそうなので、その辺は叱られないレベルで

のんびりまったりと頑張ることにします。


「…魔物と魔法ありってのは…戦闘系チート無しには厳しいものですねぇ」

「テツヤーうるさい」

「あんた真面目に頑張らないとラキーク落ちだよ?」


 私を叱咤してくるのは野良パーティ組んでくれた二人の女性…

一人は騎士見習い…それも従士候補のラティファさんと魔術師のレイラさん。

年齢は分かりません。だって二人とも顔が目元しか見えない

頭巾ヒジャブ的な何か被ってますし。あとこっちじゃ女性も結構働けるようです。


「そうは言われましても…私弓の射撃は初めてでして…」

「だったら射撃経験ありなんて大嘘つくんじゃないよ」

「いえ、射撃は……そうですね。失念してました」


 銃無いじゃんね。まぁあっても経験はガスガンと空気銃なんでアレですが。


「ま、貴方の矢には私が中位必中のまじない掛けとくから

私たちに照準合わせなければ問題は無いけども」

「重ね重ね、申し訳ありませんねぇ…」

「感謝は銀貨ケセフでしてほしいわね」

「勉強します…」


 地球あっちと比べて異世界こっちの一神教女子はしたたかですなぁ…。


「……いる」

「ほらテツヤー。構えなさいよ弓使い」

「はひぃ…」


 所持金無限増殖チートなかったら私、折れてますねぇ。


w根w無w


 まぁ、素顔と年齢は知りませんが若い女性と一緒に働けるってのは

やっぱり男として楽しいのでプレイの一環だと思って頑張ってますよ。

そういうことで何はともあれ無事に今日も仕事を完遂して

アサードさんと非アルコール飲料片手に飯食ってます。


「いや、テツヤー…お前我慢強いな。普通女にそこまで言われたらキレるぞ?」

「え…? こんな事で女性にキレてたら私の故郷じゃ裁判ですよ?」

「マジかよ怖いなお前の故郷」


 文明と世界と文化の壁が凄いですなぁ。しかしここのコーヒーおいしい。

ミルクティーもおいしい。なのに酒がクソ高い割に低クオリティなのは…。


「…水タバコ吸っても良いですか?」

「あ、俺も吸うから二人分注文しようぜ。おーい給仕坊主!」


 そしてこっちの人たちも水タバコ凄い好きですねぇ。下手な雀荘より煙たい。

あっちもプカプカ、こっちもプカプカ。どうせ受動喫煙なら能動喫煙しましょう。


「しかしテツヤーはヒゲが似合わないな。成人したての若造みたいだぜ」

「そりゃまぁ私の故郷じゃヒゲ面は野暮ったいor怖い人扱いですし」

「どんな道理だよw変なところで笑わせんなwwwタバコ咽るわw」


 何だかんだでアサードさんと仲良くなってます。まぁこの人、

前にも聞いた憲兵局こと私的には"とても丁寧な人達"の覚えが良いので

打算的にお友達になったんですがねぇ。


「とはいえ、これでテツヤーもウルティマ市民への大きな一歩だな。

ヒゲ面と肌の焼け具合も俺らに近づきつつあるし」

「何でヒゲ生やすのが社会的地位表明ステイタスの証なんですかね」

「そりゃー俺らの国の…っていうか天一神教の大ムフティ様がヒゲ面だからだよ」

「あぁ…偉い人の…」

「あとまぁ、テツヤーもそうだが俺らって結構童顔多いし。

立派な大人の男の証でもあるんだよ」

「しかしヒゲ濃いとソースやスパイス効いた料理食べるのキツくないですか?」

「それはお前上品に食えばいい話だろうが」

「面倒くさくないですか?」

「ったくwこの野郎はww」


 ちなみに私とアサードさんはアルコールを飲み始めてます。どうも

天一神教は宗派ごとに飲酒の制限の幅が広いようで、アサードさんの宗派は

日中と仕事中以外は飲んでも良いそうです。


「あー…仕事したくねぇーw」

「激しく同意しますw毎日が休日を希望しますw」

「だがしかし我等が主は働かぬものを地獄ジャハンナムへと導きますwww」

「ひどいw」

「ハイ不敬罪w憲兵さんこいつですwww」

「やめてくださいwしんでしまいますwww」


 やっぱり酒は良いよなぁ。飲まなきゃ仕事なんてやれるかっての(駄目人間)


「んで話を戻すんだが…今度シャビーブ=アドラズダ中位教導師様がさぁー…?」

「はいはい」


 ぶっちゃけ上役の話されても私は他人事です。関わりたくも無いので。


「しかもアミヌータメレク直属のアル=エドラーハ将軍アストラテガ様の…」

「はい」


 真面目にそういう話は止めてほしいんですが…まぁ酒の席なので…

聞くだけは聞きますよ、ええ。


「俺下っ端だっつうのにさ…」

「ほうほう」


 アサードさんは絡み酒のようです。


「真面目に聞いてんのかー?」

「聞いてますよ?」


 聞くだけなら。


「…どこかに懇切丁寧なウラマーの良い先生いないかね…」

「…私に聞かないでくださいよ」


 これも一重に気楽な根無し草生活の為に聞いてはあげましょうねぇ。


<スキル:異言語理解Lv3→Lv4>


「…っ」


 酔っててもビクッとするのでコレにも早く慣れたいものです。


w根w無w


 すっかり酔いつぶれたアサードさんを彼の兵舎の同僚にブン投げて、

私も馴染みに成りつつある木賃宿への帰路につきます。


「ここの夜は冷えますねぇ…」


 近くが案の定砂漠なので夜間の放射冷却が中々です。なので

増殖チートで増やした銀貨で買っておいた外套コートが役立ちます。


「…しかし…」


 やはり日本と違って多くの不便があります。治安もあまり宜しくない。

だから荷物は背負うだけの手ぶらでないと危ないったらありゃしません。

何日か前に日本の感覚で両手に荷物持ってたら片方を掠め盗られましたし。

まぁ憲兵さんのお世話になって事なきを得ましたが。


「…ここで安全に暮らしていくのに結局人手が要るのが…億劫ですねぇ」


 と、なれば…やはり…私も買わなきゃ駄目なんですかねぇ…?


 …。


 何を買うかって? そりゃー…古代ローマじゃ常識だったらしい

荷物持ちとか雑用の奴隷ですよ。私も悩みましたよ? 雇用主の気持ちでね?


「…となれば…武具も考えないと…」


 ウルティマの市場バザールをうろつきながらアレコレとやっていきます。


「携帯保存食に…弓矢のストック…それから…」


 こっちじゃ定価なんて無いので大阪人に習って値段交渉が大事です…。

まだまだ私は余所者なので足元見られまくり…似たものを扱う店をグルグル巡り。


「…とりあえず自分のはこの辺…おや?」


 避けられそうに無さそうな奴隷購入という現実から逃避しながら、

金物屋めぐりをしていたら、いましたよ…お馴染みのドワーフが。

ご丁寧にかなり奥まった場所で、いかにも偏屈そうな感じの。


「…らっしゃい。触ってもいいが落とすんじゃないぞ」


 ここのドワーフさんはパルシヤラーマッカ王国の公用語である

パルシア語が堪能みたいですねぇ。まぁ、異世界のスーパー翻訳ピアスである

伝心相耳針トランジドル頼りな私が言えた義理じゃないんですけど。


「随分と華美な装飾の刀剣シャムシールですねぇ」

「…その分篭められた術式は相当なモンだぞ。儀礼用なんで実用性は微妙だがな」

「なるほどぉ」


 刀剣の専門店かと思えば、鍋にフライパンと銀食器なんかもあるようで…

おお煙管キセルもあるじゃないですか! …ふむ…デザインが奇天烈ですが…

どれ…は?! この奇天烈キセルが226ケセフ…クッソ高ッ!?

隣のカッコいいヤツは59青銅貨ナハシュト…?! その差は何ですかッ?!


「…全部が俺の作じゃないからな。徒弟のモンは値段相応の作りだ。

火傷したくなかったら高いほうにしておけ。二回までなら無償修理保障つきだ」

「うぅむ…」


 このドワーフさんヒゲもじゃポーカーフェイス…ッ!? くっ…!!


「…胸当てもあるんですねぇ…お値段は…まぁ相場っぽいですけど」

「お前、請負猟師か」

「生憎の新米ペーペーですけどね」

「ふん…そいつは徒弟のエルフが作った魔銀ミスリル製だ。質は保証するぞ。

無論、俺の作った重魔金ウォルガン製の鎧には大分劣るがな」


 気持ち誇らしげに見やるのでその件のウォルガンアーマーを見てみると…

ハハハ…何だよ480金貨ダハブって…ケセフ何万枚かも分からんわw


「その様子じゃダマスカスナイフも手が届かないようだな」


 出たよダマスカス鋼…お値段は…?


「何だよこの単位…?! 千金貨アラプダハブって何だぁ!?」

「そのままだ、1アラプダハブにつき金貨千枚」

「いやそれで200アラプダハブって誰が買うんですか」

「こいつはダマスカスはダマスカスでも上位のウーツ鋼と星月光銀イシルディン

飛行金属オリハルコンの超合金製…俺の生涯の傑作の一つだ」

「どこの王様メレク御用達ですかってんですよ」

「まぁ…英雄騎士ガバラパラシャとかそういう類の奴の為に造ったんでな」


 名前からして天上人の武器なんでしょうねぇ…デザインからして

私の痛い心をくすぐるし…!! くっ…! 何千万ケセフ積めば良いのやら…?!


「…なぜこうも資金が微妙~赤貧系な時に限ってこう……………を!?」


 こ…これは…!? 嘘だろ?! 何でこれがこんな所に…!?


「銃火器…!!」

「ほぉ…?」


 その時はもう店主ドワーフの二の句はもう聞いてなかったんですよ。

若干装飾に凝ってるのはちょっとどうかと思ったんですが…そんなコト言ったら

空気銃なんて思いっきりSF世界に足突っ込んだデザインとかありますしねぇ!


「……殆ど…っていうかほぼ地球のアサルトライフルそっくり…!!」


 重さとか気になる点はもうあの時の私には無かったと思います。

もう店主の視線が痛いのも気にせず色々構造を確かめてましたし…。


「…お値段って…?」

「80ダハブ…ケセフなら320000か」

「…ちょっと待ってて下さいねぇ…!!」


 …。


 私は一応馴染みの宿に戻って、そこで思いっきり銀貨増殖やってやりました。

もちろん息切れもなんのそのでさっきの金物屋にダッシュで戻りましたよ。


「…足りますか!?」


―ドジャン、ドジャリ!


「枚数を一目見て分かったらバケモノだろうな」


 数えりゃいいんですよね数えりゃ。ええ、やってやりますよ。


w根w無w


 そして自室で私は頭を衝動買いした異世界ライフルごと抱えるんですよねぇ…。


「やっちまったぁ…」


 いろんな意味で後悔はさておき、良い買い物でしたよ。そして私は

あーだこーだと後悔の言葉を唱えながらそれなりに人気のつかない所へ行き、

異世界ライフルを試射するのですよ。


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―カチャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―シャッ! …ッコン!!


―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!


―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!


―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!


<スキル:射撃Lv5→Lv6>


「ふぅー…ッ! …空気銃の手軽さで…威力はリアルアサルトライフル級…!」


 調子に乗ってそのまま射撃Lvが二桁になるまで撃ってたら夜になってました。


w根w無w


 …狙撃銃というのは私のような臆病者の為にあると思うんです。

私は空気銃ですがリアルでジビエ喰いたい芋スナイパーしてたので…

だからこそ余計にそう言い切ります。


「……いたいた…!!」


 あの金物屋店主って真面目にチート持ちじゃないですかね? 何でこんな

世界観的にオーパーツ過ぎるターゲットサイト付いてるんでしょうかねぇ?


―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!

―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!

―ガゥン!!

―チャキッ! …シュコン!!


 ターゲットサイト向こうの獲物は何処から攻撃されたかも知らずに斃れます。


「…これでトンデモ防御力とかあったら私折れてましたが…ッ!!」


 斃れた獲物…まぁどう見てもオーガ的なヤツです。ヘッドショットは

二回外しましたが…何を思ったか這い蹲ってくれたので三度目の正直です。

とか言って見事に胴体でしたが。立ち上がった瞬間にラッキーショットで

四度目の真実…ッ! とてもグロい脳汁ブシャーがありましたが、勝ちました。

念のため死体撃ちして死んだ振りか確かめました。パーフェクト大当たり確定。


「…あの金物屋さんはもう常連にならざるを得ませんねぇ…!」


 私の顔はきっと酷い笑顔でしょうが、誰もそばに居ませんから!


 …。


 倒したオーガ的な魔物の討伐賞金は3ダハブでした。えーと1ダハブが

4000…うは…12000ケセフ…!? 今までの平均褒賞がゴミのようだ!

スキップしたいのを我慢して、挙動不審にならぬよう頑張れないけど!!

さぁ…皮袋の中で金貨増殖やっちゃるぜ!


「………真面目に使いこなしてるみたいだな」

「経験あるって言ったじゃないですか」

「聞いてねえよ」

「あ…サーセン、ラティファさん達でしたねw」

「誰だよ」

「サーセンw」

「……こんなものあるんだが…?」


 店主殿は鍵付きの箪笥から…おいまたオーパーツじゃねえか。

何だその現代風デザインなショットガンは。しかもショットシェルマガジン付て。


「使い方は…わかるな?」

「もちもち☆」

「気色悪い顔と声を出すな…6…85ダハブな」

「はいはい」


―ジャラジャラっ…!


「…お前…何処かの闇ギルドのアサシンでもやってるのか?」

「ご冗談をw私の体つきを見てくださいよww」

「気色悪…9…130ダハブにするか」

「ちょ―!?」


 店主殿と馬鹿な小芝居(?)に少々時間を使いました。

店主殿は何だかんだで出所を真面目に問いただしてはきませんでした。

ありがた半分くわばら半分でしょうか。


「まぁ、お前の感じだと討伐以外に使う根性もなさそうだから気にしないでおく」

「結構カチンと来ますが大正解なので一字も反論できませんね」

「…生意気な徒弟エルフをビビらせる為に作った飛び道具ってのもある」


 店主殿は色身からして危なそうな銃火器の弾丸をゴトゴトと見せてきます。


「店主殿は転生者か何かですか?」

「お前は真面目に何を言ってんだ…一つにつきダハブ単位を覚悟しとけ」

「へいへい」


―ザラザラー…っ


「……………お前、月夜だけだと思わないほうが良いんじゃないか?」

「ガチ真顔で言うの止めて下さい。後日私の変死体を見たいんですか?」

「店を出た瞬間に変死体になりそうな勢いじゃねえか」

「あの、真面目にトイレ行きたくなるんでやめてください」

「…ふはっ…」


 散々私の事を気色悪いとか言ってますが、店主殿の笑顔も相当ですよ。


「…玉一つで1アラプダハブな」

「サラッと私の心を読まないで下さい」

「読むまでもねえ変態顔だよ、今のテメェは」

「ひでぇ…」


 まぁ、何を言われても上手く流してやりますよ…! 

何せようやく私のプレミアム俺TUEEEEEEエーティータイムが目の前ですし。

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