5-23 精霊国アシュレイン
どうやらどちらも 妖精の村の住民らしく (ジャックも妖精だった!) 妖精の村に送り届けることで話はついた。
ティンプルは飛んで遊びに来たらしいので、飛んで帰ればいいものを、馬車内のお菓子やゲームにハマってしまったらしい。
国境を無事に越えて、精霊国アシュレインに入った。
もちろん魔王のことは内緒にした。
というか、国境では、隠蔽やら偽装やら迷彩やら透明化やら転移やら瞬間移動やら使ったので、密入国と言えなくもない。
まあまあ、魔王だからいいじゃないですか。(意味不明)
ちなみに妖精たちにとっては、シルキーの村は精霊国でもあるので、国境越えにはならなくて合法だ。
あれ? ジャックはその前の魔族の国にいなかったか? どうなってんの?
うん、興味ないからどうでもいいや。
どうでもいいといえば、ジャックは、オセロとかは弱いのだが、一部のトランプでは強い。
ババ抜きやポーカーでは、表情が読めないので、強い。
ティンプルはお嬢様と同じで、すぐ顔にでるし、声にも出るのでカモだ。
ただ、カードが身体くらい大きいので、よちよちして見えてかわいい。
うん、やっぱりどうでもいいな。
馬車はレゾン村にさしかかった。
はずだけど、霧の中にいるので、よくわからない。
おまけに森の道は迷路のようになっており、迷わせる気マンマンだ。
迷いませんけどね。
たまには霧の中で視界が悪いのもいいかもしれない。
なんか落ち着く。
子供達もみんな寝てしまった。
ルカもメリーアンとお昼寝だ。
クランベールも寝てしまったので、馬車で起きているのはふたり。
御者台の自分と、見張り台のドロシーのみ。
「ニャー(ドロシーさん、もうすぐ村の入口のはずですが、何か見えますか?)」
「いいえ、なにも。 いや、正面の霧が若干薄いような? あれ? うわっ! まぶしいっ!」
トンネルを抜けたように、急に霧が晴れた。
そこは、霧の森に守られた、レゾン村だった。




