5-22 シルキーの村3 (※イラストあり)
なんだこのポンコツ妖精。
「ようせい じゃと?」
お嬢様が目をキラキラさせている。
妖精の村に行きたがっていたからな。
テーブルにガーゼを敷いて寝かし、みんなで揃って観察した。
頭の花飾りといい、目鼻立ちは整い、かわいいといえなくはない。
しばらくすると、目を覚まして あくびした。
『ふぁぁ~~、って、ぬわっ! 寝起きドッキリ?』
なんでやねん。
「ニャー(あなたは妖精ですか? どうしてここに?)」
『誘拐だ~! 拉致監禁だ~! 身代金もらったら、私と折半山分けにしろ~!』
イラッ!
「ようせいは (むずかしい ことばを しっていて) かしこいのじゃな。」
『ん? あなたのオーラは・・・もしかしてただものじゃないんじゃない?』
「ニャー(お嬢様は、魔王様です)」
『まおう? 魔王? 浅田まおうちゃんじゃなく?』
シュバババッ
『ははあー、魔王様とは露知らず、ご無礼をいたしました~! どうか、どうか! 食べないでくださいまし~!』
「たべないのじゃ!」
「ニャー(で、あなたは、妖精の村の妖精さんですか?)」
『そう、私はティンプル、ここでお祭りとうわさに聞いて遊びに来たの。』
「ティンプー?」
『ちがーう! ティンプルちゃん! ガバメントにもブラッカリーにも乗ってないしっ!』
なんだこのメタ妖精。
「ニャー(ジャックの頭に乗っていましたよ)」
『パリカール! じゃない、ジャック! あなたジャックじゃないの? こんなところで何してんの?』
ジャックがなにやらジェスチャーをしている。
うん、さっぱりわからん。
それでも精霊と妖精では通じるのか、ティンプルはしきりに頷いている。
『うん、うん、なるほど~!』
『なに言ってんのか、さっぱりわかんないっ!』
全員コケた。




