4-14 魔王城5
シャーロットは泣き崩れた。
こんな屑野郎の計画に兄が利用され、大好きな父が殺されたことに。
その計画に自分が全く気付けなかったことに。
それはカトリーヌやゴーガも同じだった。
複数の将軍、シドの暗黒魔法、ギルギスの精神魔法で、完全に隠蔽されながら進められた計画とはいえ、なぜもっと早く気付けなかったのか。
魔王を守れなくて何が将軍か。
激しい自責の念に駆られていた。
一方、アルフレッドは、冷や汗が止まらなかった。
もしかして第二王子、操られてたんじゃね?
ガーウルフの傀儡魔法に操られて行動してただけで、無実だったんじゃね?
それを確認せずに殺してしまったんじゃね?
幸いみんな気付いてなさそうなので黙っておこう。
魔王様や第一王子たちを殺したのは間違いないから、第二王子は殺されても仕方なかった。
そう、仕方なかったとしておこう。
そうしよう。
アルは転生者だが魔族なので、悪には寛容だった。 自分の悪には。
「まおうのぎ は、せんのか?」
子供ゆえの悪にまみれていない純粋な心は、この場のみんなには まぶしかった。
「いえ、魔王様を守れなかった私に魔王になる資格はありません。 ベアトリス様の下に付きます。」
ゴーガの宣言により、将軍の全てを下につけたことになり、魔王の儀は終わった。
ベアトリスは真の魔王と認められた。
「では まぞくのくにベリーランド を、みんなで ニコニコのくに に するぞ! エイエイオー!」
「「「ちょっと待て(待って)ー!」」」
「「「”ベリーランド”って、どこからきた(の)ー?」」」
「ん? ベアトリスの”ベ”、メリーアンの”リー”、クランベールの”ラン”、アルフレッドの”ド”じゃ。」
「「「えっ!?」」」
「「「意味があったのか・・・」」」
「私たちの名前がない・・・」
「カトリーヌの”リー”にしない?」
「ニャー(お嬢様が私の名前を・・・感激ですぅ!)」 うるうる




