4-13 魔王城4
「待たせたか?」
「ニャー(いらっしゃいませ、ゴーガ様)」
「きたか、ゴーガとやら。 むむ、おまえ、おおきいな。」
「魔王の儀を始める前に、少し時間をもらいたい。 ガーウルフ!」
「ん? 俺?」
「貴様のやったことは調べがついている。 シドが計画し、ギルギスが勇者や人族を動かし、おまえが第二王子を唆して、クーデターを起こし、魔王様を殺させた。」
「「「!」」」
「第二王子を仮魔王とし、魔王の儀に持ち込み、3人で魔王の座を奪う計画を、おまえはさらに裏切り、ふたりを殺した。」
「「「!」」」
「さりとて一人では我等に勝てぬと踏んで、仮魔王側に付き、そのうち暗殺でもする気だったのだろう。」
「「「!」」」
「おっ、お前?」
「お前がお父様をっ!?」
「ふっ、ゴーガ様ともあろう御方が妄言を。 証拠はあるのですか?」
「言ってなかったが、我が軍には過去見ができる巫女がおる。 膨大な魔力と引き換えに、場所と時間を指定して周りを覗き見る事ができるのだ。」
「ニャー(そんな魔法があったとは)」
「くっ!!」
ガーウルフは魔狼に姿を変え、超スピードで人質確保を狙った。
人質をとり すぐに血を吸えば、そいつはガーウルフの意思で動く人形となる。
今回は逃げるための壁でよい、弱者を狙う。 だが人族や赤子や乳母は城の中。
ゴーガとカトリーヌは格上、狙いはシャーロットかベアトリスか執事。
シャーロットは末席でも将軍、ここはベアトリスを狙う。
ガーウルフは致命的な選択ミスをした。
ベアトリスの反射神経はまだ子供なのでそれほどもない。
余裕で行けると思ったとき、ガーウルフは絶対静止した。
アルフレッドの影拘束と精神拘束で、指1本、魔力一滴動けなくなった。
そしてその動きに追いついたベアトリスの意識が一言告げる。 爆散と。
腐っても将軍、ガーウルフの魔力抵抗値はとんでもなく高い。
しかしベアトリスの魔力はそれを上回った。
ガーウルフは爆散し、肉片と化した。
同時にアルは、近隣の闇空間を、光猫で浄化した。




