表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/167

3-17  岬の遺跡5


魔王になるだと?


アルフレッドめ、今までだましていたのか?


いや、しかしメダルに執着はしていなかった。


それに我々から殺して奪うならいつでもできたはずだ。


だからその線はないと。


今までは本当にそのつもりはなかったと。


じゃあこの塔でなにが?


あの冠。


あれは!


いや、私にはわかる、あれは本物だ!


本物の次期魔王の冠だ! 恐ろしいほどの魔力を秘めている。


では本当に魔王妃ヴィクトリア様から託されて?


執政を手伝えと?


ベアトリス様が本当に魔王になって、メリーアン様の身の安全を保障してくれるなら、大臣にでもなんにでもなろうではないか。


やれるものならやってみるがいい。


しかしメリーアン様を危険に巻き込めばただでは済まさんぞ。


睡眠魔法ははじかれたが、あれはまだ本気じゃなかった。


私の”睡魔”はあんなものじゃない。


単調な声で羊の数を数える、午後の歴史の授業、午後の古文の授業、午後の数学の授業、いろんな技がある。


覚悟しておけ。


ん? 無表情なようで、よく見たらアルフレッドがすごく嫌そうな顔をしている。


なるほど、アルフレッドにその気はなかったか。


実は前言通りに平穏に暮らしたかったと。


しかし主人がその気になってしまったので、泣く泣く従っていると。


ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。


思いを少しでも顔に出すとは、執事としてはまだまだ未熟よのう。





私はルカ。


アルパカ獣人でメリーアンお嬢様の乳母をしている。


メリーアンお嬢様のお姉様のベアトリス様が魔王を目指すという。


そんなことよりメリーアンお嬢様の召喚魔法がすごい。


私とシルブプレ様、ふたりがかりで魔力を押さえ込んでいるのに、気を抜くとすぐに封印を破って召喚する。


私はお嬢様に気に入られているので、私がどこにいようとかまわずに召喚するのだ。


食事や寝ているときには、まあいい。  よくないけど、いい。


お風呂やトイレのときには、すごく困る。


シルブプレ様の前にハダカで呼び出されたこともあった。


枯れているおじいさんなのが、不幸中の幸い。


鼻血を出したシルブプレ様がお小遣いをくれたので、この事件はないことになった。


あの事件以来、お風呂やトイレもお嬢様と一緒に入る。


ここでは、ベアトリス様やクランベール様がメリーアン様のお相手をしてくださって、とても助かる。


メリーアン様がご機嫌なので、しばらく魔力の暴走もないだろう。


今のうちに立ったまま、体の左右半分ずつ寝ようと思う。


おやすみなさい。


Zzz


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ