3-2 オーミの街6
昨日は遊び疲れて、いつの間にか眠ってしまったようだ。
朝ご飯のあと、アルがダンジョンに行きませんかと言ってきた。
えーー、ダンジョンはもう私のブームじゃない。
今の私のトレンドは赤ちゃんと遊ぶこと。
今日もいっぱい遊ぶんだ。
アルフレッドさんから相談を受けた。
なるべくみんなで一緒に行動したい。
持ち運びできる魔法空間はないですか、と。
つまり収納袋の生物版、しかも中が快適なやつですね。
実はあります。
私が快適空間を魔法で維持した部屋を、収納袋に入れればいいのです。
つまり私ごと部屋を収納するのです。
デメリットは、私が一緒でないとダメなこと、自力で収納袋に出入りできないこと、あと時間制限があることくらいでしょうか。
時間制限ですか? そうですね、寝落ちしたら空間の維持が保証できないので、24時間くらいでしょうか。
充分ですか、それはよかった。
え? 今からですか?
お嬢様にダンジョン行きを断られてしまった。
暴力大好きの脳筋ゲフンゲフン、失礼。
お嬢様に赤ちゃんを愛でる気持ちが芽生えてくれたので、良しとする。
しかしお嬢様たちのレベル上げと、お嬢様の苦手魔法を補強する魔導具の入手が滞る。
早くここの土魔法魔導具を入手して、本命の精神魔法の耐性魔導具を入手に行きたい。
お嬢様をここにおいて一人でダンジョンに行くと、狙われないか心配でならない。
瞬間移動は、より強い魔力では妨害される。
なので、助けに駆けつけられない恐れがあるのだ。
シルブプレに相談したら、方法があるという。
空間を維持してもらった部屋ごと収納するという。
いつぞやのウソがマコトになった。
みんなでパーティーを組めば、経験値も少しは入るだろう。
ではみんなを収納して、オレが一人でダンジョンへ行こう。
目標は土のアンクレット、最下層まで行ければ土の首飾り、宝石はお嬢様のおみやげに。




