2-9 オーキ高原
冒険者ギルドでゴブリンの討伐証明を提出し、依頼を完遂した。
「アル様、杖をありがとうございました。 これで安心してダンジョンにアタックできます。」
「ニャー(どういたしまして)」
一行はキサラの街を出て、土のダンジョンのあるオウミの街へと旅立った。
途中のオーキ高原で、巨大なモンスターの死体を見かけた。
「あんなモンスターを倒す魔物がいるようですから、警戒を最大にして進みましょう。」
ドロシーさん、すみません、たぶんアレをやっつけたのは、お嬢様です。
その犯人は、馬車で目をトロトロにしてクランベール様にもたれかかっている。
馬車は長くゆるい坂道を、何事もなくゆっくりと登って行った。
日が傾き赤く染まる頃、馬車を道の脇の広場に止め、ここで野宿となった。
私は場車内の空間を広げ、馬の世話をし、夕ご飯の準備を始めた。
クランベール様とドロシーはまた大騒ぎしていた。
キサラの街で食材を豊富に仕入れていたので、夕ご飯はちょと豪華なものとした。
旅の料理らしからぬ料理に、二人はまた騒いだ。
「ニャー(夜の見張りは私が致しますので、皆様はお休みください)」
「いえ、お世話になってばかりなので、ここは私が。」
「ニャー(ドロシーさんには明日の朝の御者をお願いします。 夜はお嬢様たちのおそばでの護衛を兼ねてお休みください)」
ドロシーはしぶしぶ馬車に戻った。
実はシールドを張れば見張りも必要ないので、見張りながら、右半身と左半身を交代で半分ずつ寝た。
夜中に敵対する気配を感じて、一気に緊張状態へ覚醒した。
第二王子の追っ手か?
広範囲を探知したが魔族の気配はない。
ただの盗賊のようだ。
こいつらならシールドの突破もできないだろうが、役に立ちたい感を振りまくドロシーのお相手には丁度いいかもしれない。
「ニャー(ドロシーさん、いいですか?)」
「アル様? どうされましたか?」
「ニャー(盗賊の気配を感じました。 ここは私が守ります。 盗賊を撃退してもらっていいですか?)」
「! わかりました。 お任せください。」
ドロシーはまだ襲ってくる前の盗賊たちに単身飛び込み、蹴散らした。
隠れている弓使いには気付いていないようだったので、倒しておいた。
「無事全員倒してきました!」
うれしいのはわかるけど、お嬢様たちが目を覚ますので、声のボリュームを下げて欲しい。




