2-6 カーマ平原
「そんなにくっつかれるとあついのじゃ。」
「姉妹はこうして仲良くするのが普通ですわ。」
「そうなのか。」
「それにこうしていると、ベアトリス様の魔力が感じ取れて、幸せですの。」
『(アル! きんきゅうじたいじゃ! クランベールがわれのまりょくをかんじているそうじゃ!)』
『(ニャー(大丈夫ですよ、その子が感じているのは溢れてこぼれている分だけですから))』
「クランベールはまほうがとくいなのか?」
「ええ、見てくださいますか? ウォーター!」
チョロチョロチョロ ポチョン
「どうですか? マグの半分まで水が出せるようになりましたのよ?」
『(アル! どういえばいいのじゃ?)』
『(ニャー(おかしいですね? 彼女の魔力はこんなレベルでは、ああ、なるほど))』
『(ニャー(彼女も我々と同じで隠さねばならない事情があるようです。 まあ彼女の事情はささいなものですが。 適性関係の))』
「かくさねばならぬのか、ふんふん。」
「ベアトリス様?」
「てきせいかんけい?」
「ああ。。」
クランベールがうなだれる。
アルはしかめっ面している。
「秘密にしてくださいますか?」
「だいじょうぶじゃ。 われのくちはかたいのじゃ。」
「私はわが一族には珍しく魔力の才に恵まれて生まれてきました。 しかし人より秀でているのは闇の属性だったのです。 それは人の能力を下げたり惑わすような人に忌み嫌われている魔法。 これが知られるとわが男爵家はお取り潰しになるでしょう。 なのでこの旅は実は、『帰ることなく元気で生きよ』 と言う旅なのです。」
「かえれぬのか?」
クランベールはうなだれている。
「なら、われとずっといっしょにいればよかろう。」
クランベールの目は見開かれ、そのあとみるみる涙があふれてきた。
そしてベアトリスに抱きついて嗚咽した。
「ありがとうございます。 ベアトリス様。 よろしくお願いします。」
『(けらいをひとり、げっとじゃな。)』
アルはジト目した。




