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2-3  ラズベール領主館3


その日、クランベールはベアトリスとお風呂に入り、柔肌を満喫した。


姉とのスキンシップの経験がなかったベアトリスは、姉妹ってこういうものなんだと疑問に思わずインプットされた。


アルフレッドはその間、宿に行き事情を話して引き払ってきた。


その夜ベアトリスたちは、ラズベール領主館に泊めてもらった。


次の日、クランベールとベアトリスは冒険者ギルドで冒険者カードを作った。


これでベアトリスたちは、街の出入りにこそこそする必要はなくなった。


それだけでは礼にならぬとラズベール男爵は、アルフレッドに金貨を袋で渡した。


アルフレッドたちの懐にはゴールデンバットの金貨がまだあったが、せっかくなのでありがたくもらった。


ではとベアトリスたちが帰ろうとすると、ラズベール男爵から呼び止めがかかった。


「実は貴殿達に折り入ってお願いがあるのですが。」


『(きたのじゃ。)』


『(ニャー(来ましたね))』


「実はクランベールに婚約の縁談が来て困っております。」


『(?)』


『(?)』


「相手は伯爵家、身分的に断れません。」


「そこであなたたちの旅にクランベールを一緒に連れて行ってほしいのです。」


「貴族のレベル上げ修行は花嫁修業の一貫として認知されています。」


「しかし期間の制限はありません。 旅に出て連絡が取れません、であきらめていただく予定です。」


「ニャー(でもどうして我々に?)」


「あなたたちの技量は盗賊退治で見せていただきました。」


「その前の魔法の練習でも。」


「関係のない馬車が盗賊に襲われているのを見て、助けてくれる義侠心も見せていただきました。」


「そこで白羽の矢を立てたのです。 でも決め手は、クランベールがベアトリス様を気に入っている事ですがね。」


『(ニャー(あちゃあ。 マッチポンプに引っかかったのはこっちでしたか))』


『(ニャー(だからあの執事さんは私をあんなに警戒していたんですね。 クランベール様をお預けするのにふさわしいかどうかを見定めるために))』


「ニャー(するとあの盗賊たちは?)」


「いえ、あれは本当に盗賊です。 魔力を感じて見学しようと近づいたところを襲われて。」


「ニャー(それであんなに道をはずれていたんですね)」


『(ニャー(お嬢様、クランベール様とご一緒に旅をしてもいいですか?))』


『(むしろこっちがいいのかとききたいのじゃ。)』


『(ニャー(目立ちたくない旅行ですからカモフラージュになるのでこちらは大丈夫です))』


『(ではきまりじゃ。)』


「ニャー(わかりました。 そのおはなし、お引き受けいたします)」


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