6-13 ドーバー渓谷
砂漠の終わりには大きな谷があります。 ドーバー渓谷です。
そこに架けられた1本の釣り橋。
今はその丁度真ん中が魔族の国と獣人の国の国境で、橋の両端に国境警備兵が詰めています。
たぶんこちらの手続きで一日、橋の移動で一日、向こうの手続きで一日、三日かかるはずです。
来るときがそうでした。
と思ったら、いつのまにか見知らぬ場所にいました。
えっ? えっ? どうなっているのです??
「ニャー(今日は谷の底を観光しましょう)」
えっ? えっ? ドーバー渓谷の底なのです??
たぶん危険なのです! 魔物がたくさんいると聞いた事があるのです!
はわわ。 え?
ドカーーン! ドカーーン! ドカーーン!
黒服の女の子が魔物を爆裂して、それを猫の執事さんが片付けているのです?
バシュ! バシュ! ズバッ!
小さな怖いお姉さんが魔物を弱らせて、大きな怖いお姉さんが魔物を切っているのです?
ポカ、ポカ、ポカ、ポカ
ええと、これは? 「パカ-。」 なるほど。
赤ちゃんが半分だけ召喚して止めて、動けなくなった魔物を、カボチャの子と妖精さんがいじめている、で、当っているなのです?
で、みなさん、いったいこれは、なにごとなのです?
え? 観光と、気分転換と、運動不足解消と、食料補給?
いやいやいや、観光してます?
え? 洞窟を見つけた?
すごいですね。 鍾乳洞かな? ちょっと興味あります。
わわわ、魔物ですー! 大きいですー! 大きなヘビさんですー!
ドッカーーン!
はわわわー。
え? 洞窟の奥にお宝? 光り物をためていた?
どれどれ。 これは! 襲われた冒険者たちの装備や金貨なのです。 食べられた魔物の魔石もあります。 なのです。
洞窟の奥から変な匂いがします。 血吸い蝙蝠に注意するです。
お宝を外に運び出して、煙で燻すです。 一緒に毒虫も退治するです。
どんどん燃やすですー。 アハハハ。
冒険、楽しいですー。




