6-11 ミズル村4
「じゃあまた来いよ。」
「ニャー(息災で。)」
怒られて追い出された。
サービスで ほとんど核心まで教えてやったんだから、あとは自分で考えろ、一から十まで聞くな、と。
宿に戻って、見張りの分身と合体する。
情報を整理しよう。
・ベルは命を狙われている。
・犯人は獣人の国の王以外の王族。
・ベルの母も病移師を使って殺された。
・ベルには魔法の才能がある。
・ベルが命まで狙われる理由は不明。(教えてもらえなかった)
これ、このまま獣人の国に行っていいのかな。
ベルを連れて行くのも、獣人の国において行くのも不安だな。
ま、いいか。
お嬢様が狙われるわけじゃないんだから、トラブルも楽しむか。(←お気楽 異世界人)
翌朝、馬車を乗り替えて村を出発した。
あと砂漠地帯の半分だ。
「もう さばくは あきたのじゃ。」
言うと思った。
「ニャー(かしこまりました)」
いつもならここで使い魔を飛ばして 砂漠の終わりを見つけて そこまで転移するところだけど、今日は違う。 ムフー。
「ニャー(ではクラリス号の、初飛行です)」
馬車がパタパタと変形し、飛行形態へ。
ゴーレム馬車が駆け出し、そのまま空へ駆け上った。
景色が下へ消え、浮遊感に襲われる。
「おおおーっ!! とんだのじゃーっ!!」
窓から砂漠の地平線が見える。
360°のパノラマに、子供達は第興奮。
大人もか。
かく言う自分も御者台で大興奮。
気分はトナカイの馬車のサンタクロース。
メリークリスマス! ホッホッホー!
悪い子はいねが~♪




