6-8 ミズル村
病気で死ぬことがなくなった喜びで、秘密にしていたことをついつい言ってしまったのです。
でも命の恩人にウソはつけないのです。
そもそも危害を加えるつもりなら、命を救うわけがないじゃないですか。
私はこの方たちを信用します。 なのです。
秘密を暴露したのに、リアクションが薄かったのは残念ですけども。
でも同じ獣人以外の人は私には表情が読みにくいので、きっと気のせいだと思います。 なのです。
はるか後方で動けないサソリが爆散して半日ほど進んだ頃、やっとオアシスの村に たどり着いた。
そのころには、ベルはもうすっかりゲームの虜だった。
「わん(そこっ! なのです!)」
「ざんねん、ババなのじゃ~♪」 けけけけけ
お嬢様もご機嫌なようで なにより。
しかしあの笑い方、直らんなぁ~。(苦笑)
オアシスの村は獣人が多かった。
ここも干渉地帯なのかもしれない。
馬車は収納し、偽装用の馬車を宿屋に預け、みんなで市場を見に行った。
見た事が無い果物に子供達が浮かれている。
いろいろ食べれるところに行って、気に入ったのを買ってみるか。
なにせ食べ方がそもそもわからない。
あ、これ、皮の方を食べるんだ。 へえ~。
食事処でサボテンステーキを一口食べたお嬢様が、気に入らなかったのか残りをこっちに押し付けてきた。
ああ、ちょっとだけ苦いかな。
自覚があるので、自分達が奇異な目で見られるのは慣れているが、ちょっと妙な視線を向ける獣人たちがいるな。
視線の対象は・・・ベルか。
第26(笑)王女だものな。
もしかしたら(笑)有名人なのかもしれないな。
食事の後は、オアシスの村の中心にある泉を見に行った。
砂漠の中の奇跡の泉、この村の最重要施設なので、周囲は立派な公園になっている。
珍しい木や花を見てのんびり過ごしていたら、怪しい集団が襲撃してきた。




