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6-3  南極地方


「あ~、宇宙警備隊、銀河系支部、太陽系方面担当のユニバースヒューマン、ロックだ。 君達の行為は宇宙憲法 幼星保護法に違反している。 直ちにこの星から退去しなさい。 なお、その意思を確認できない場合、強制排除を実行する。」


ロックは足の指で小石を飛ばし、基地の警備ロボに危害を加え、わざと反撃を受けた。


「あ~、発砲を確認、退去の意思なしと判断し、強制排除を実行する。」


面倒な段取りがやっと終わったとニヤリとしたロックは、ものすごい速さで警備ロボたちをつぶして回った。


そんなロックを冷たい目で一瞥いちべつしたナナは、得意の斬撃光弾で基地施設を破壊し始めた。


研修生の英斗は、オロオロしながら様子を見ている。


やがて強敵と認識され、警備ロボは合体し巨大戦闘用ロボに、衛星軌道上空には母船の宇宙船から戦闘機が発艦し、ビームでの狙撃攻撃が開始された。


ロックは嬉々として巨大ロボと取っ組み合いし、ナナは斬撃光弾を次々と飛ばし、衛星軌道上の戦闘機をコントロールして潰していく。


英斗は、記録に一生懸命だ。


「遊んでないでマジメに やんなさいよ!」


ナナはとうとうロックにキレた。


ロックが真面目にやれば、こんな基地などビーム一発で消滅させられる。


「馬鹿言え、すぐに終わったら盛り上がりに欠けるだろう? 3分だけ遊ばせてくれよ。」


ナナは怒りを込めたワイドビームで、上空の母船を、戦闘機もろとも破壊した。


「はい、残しといてあげたわよ。」


「サンキュ。」


ロックは戦闘用ロボをわざわざ投げ飛ばし、ときにはピンチを演出して戦闘を楽しんだ。


もいだ両手部を基地に投げつけて爆発させた後、気が済んだのかとどめのビームで、ロボと基地を消滅させた。


「ああいう部分は見習わなくていいからね。」


「は、はい、ナナ先輩。」


英斗は訓練課程は修了したが、実戦経験はまだないので、そんな二人を尊敬の眼差しで見ていた。


ナナは後始末をロックにさせると、記録をまとめて送信する過程を英斗に見せた。


「だいたいこんな感じかな。」


「ありがとうございます。」


「ついでに例の猫の遺伝子情報も送信して確認してもらお。」


「そっちも遺伝子を取るためにキスする必要はないだろうによ。」


「あ、あれは赤ちゃんの無邪気な行動で、遊んでたんじゃないわ! ロックの遊戯と一緒にしないでね!」


「はいはい。」


ただ英斗はこの職場でやっていけるのか、一抹の不安をぬぐえなかった。


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