↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
|真空崩壊《オメガ》の前奏 Op.3 ツイの一匹狼  作者: 八環
序章 『迎えた終幕、向かう終幕 』
1/10

序章I 『歓喜、破壊される』

 端的に言えば、人間が嫌いだ。

 何故?と聞かれても理由は言えない。いや、言えないというか、シンクの中へ一度に大量の物を流し込んでしまって詰まった時のような……つまり、思い浮かぶ理由が多すぎるのだ。理由が多すぎて、気管から言葉が放たれる前にその場で混沌となり、言いたいことが明瞭としなくなってくるのだ。

 なろうと思って嫌いになった訳ではない。もし生まれ変わったら人間を好きで居られる人間に生まれたいとさえ思っている。

 友人や家族、恋人、そして自分を含めてみた時に答えが変わるかと言われても僕の場合はそう変わらないだろう。人間という生物そのものが嫌いなのであって、個人に対する感情だとかは今はどうでもいいし、考えるのも面倒だ。

 人類が数時間後に滅亡します!と、決定的な根拠を添えて言われたとて、少々の驚きなどはあるだろうが慌てたり恐怖したり、或いは涙したりすることはないだろう。寧ろ、知らされた瞬間微笑を浮かべる自信すらある。……少々、言いすぎたかもしれないか?

 近年見られるうつ病か何かなのか?と思われるかもしれないが、人生の大半を共にしたこの感情を矯正または治療できるならば、是非してもらいたいものだ。


「空は……曇ってるな」

 珍しい事では無いが、ふと呟いていた。

 自分自身、あまり喋らない方だと思っていたので、珍しいと思った。

 一人の時なんて、このようなものだろう。

 こうして外をボケっと歩いていたり、寝る前の何も無い時だったり、一人の時にはどうしようも無い考えがどうしても浮かんでくる。


『苦難を乗り越えた先に何がある?』


『人類はなぜ必死に生きようとする?』と。


 そんないつもの下らない疑問を抱き、今日も息苦しい地球で生きる。

 出来ることなら自分ごと滅んでしまえばいい。

 いっその事自分が逝ってしまおうか――いや、母親に迷惑はかけたくない、やめておこう。

 そんなことを思い空を睨んだ。


 ――その時であった。


ゴゴゴゴゴ……


「ん——?」

 気づいたら周りに人はいなかった。

 悲鳴?叫喚?人々の甲高い声がそこら中から響き、もう一つ響くのは空から轟く巨大な岩が迫ってくる音だ。

 目を見開いた。まさかこんなにもオーソドックスな人類滅亡があるとは。

「隕石……」

 やっとか。

 墜落はいつだ?

 なにか対策しているのか?

 人工衛星は何をしていたのだ?


 否、もう遅いか——。


 職場にはなんと言う?なんと家族に連絡する?などと一つの脳みそで複数の考えが巡る。

 そんなことをしている間にも死のカウントダウンは進む。

 人類はもう諦めているだろうか……少なくとも僕は諦めていた。まだ家にも帰れていないし最後の晩餐もできていない。

 日常的なことで言えば悔いしかないが人生で言えば特に思い残すことはない。

「タイミング、ちょっと間違えてるな……」

 だからもう、僕は歩かなかった。

 そして、意識の無くなる寸前に、自分の口角が微かに上がっている事に気がついた。


 ――刻限だ。


 一瞬だけ熱を感じたが、思っていたよりも苦しみはなかった。自分の認識が追いつく前にはもう、死は降り掛かってきていた。巨大隕石に当たって生を終えるとはどのような感覚かと何気に疑問を抱いていたが、身をもって体験するとは思いもしなかった。


 こうして人間の築き上げた長大な物語は終わりを告げ、世界は滅び、生物の住む星は観測上無くなり、人類が絶滅した——

 

 と、思ったが。


「……!」

 目が覚めた……?意識が続いている……?

 なんだ、死後の世界が実在したのか……?

 自分だけが生き残るとか、流行っている異世界転生とか、フィクションがノンフィクションになるような事態は、冗談だとしても笑えない。


「あ……」

 声を出す――自分の声だ。

 爪で自分を引っ掻く――痛い、夢では無い、らしい。       

 体を確認する――無傷だ、服装もいつもと同じ。

 周りを見る――誰も居ない……。


 あまりにも非現実的だ。こうなった理由を考えるなら、一度現実から離れた方が良さそうだ。

 ならば何が思い浮かぶ?ふと思いついたのは自分だけ理解不能な原理で逃れられたこと。

 次いで思いついたのは、やはり死後の世界であった。

 そこからずっと考えてみたが、無限に案は出てくるから埒が明かない。

 体感では十五分程経ったか、考えて駄目ならば動くしか無いだろうと立ち上がり、その瞬間、自分の目の前に二つのヨーヨーが落ちていることに気がついた。

「なんだこれ……」

 頭ではそこに落ちていた物が何か分かっていても、疑問を呟かざるを得なかった。最初に入手するアイテムがヨーヨーだとは信じたくない。

「詰み……」

 と言って諦めて寝てしまおうと思った時、何かが諦念を晴らした。


「——覚めましたね?」


「は?」

 我ながらきょとんとしていた。

 急に目の前に若い女性が現れたのだ。

「誰……?」

【朧(オボロ) 命(ミョウ)】23歳 人間

性別:男 誕生日:2/29 身長:175cm

好きな食べ物:餃子

・細身な身体にワイシャツとスラックス。仕事帰りだったのでたまたまこの服装のままだったが、普段から割とこのような服装を好む。

・ツリ目で目つきが悪いとよく言われる。社会に疲れているだけ。

○人間が嫌い

【ルクス・オゾン】神

性別:女 誕生日:2/15 身長:164

好きな食べ物:アップルパイ

・装甲の付いたワンピースを着ている。羽を出そうと思えば出せる。

・凛々しい顔にサラッとしたセミロングの金髪を持つ。清楚な真面目ちゃんという評価で、学校では人気が出そうな顔立ち。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。