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稲り実る〜異世界でも米作りはそれなりに大変〜  作者: さば味リン


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第43回「新しい日々」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

それから、少し経った――。

稲荷庵の前には、今日も田んぼが広がっている。

収穫を終えた田んぼには、刈り株が並んでいた。


「……終わったんだなぁ」

美穂は畦道に立ち、田んぼを眺めていた。


異世界に来て――。

何も分からないまま、この場所で暮らし始めた。


そして――。

初めてのお米を食べた


「……美味しかったなぁ」

美穂が笑う。


「はい」

隣にはフロリィ。


そして、その反対側にはイナリがいる。

「もう少し食べたかったですね」


「イナリさま、まだ言ってるの?」

「だって、私の分がありませんでしたから」


「ごめんなさいって!」

フロリィが苦笑する。


「次はちゃんと残しておきますから」

「本当ですか?」

「はい」

「では、期待しています」

穏やかな会話が続く。


美穂は、ふと稲荷庵を見る。

最初はただの家だった。

今は――。

田んぼがあり、仲間がいて。

そして、女神がいる。


「ここが、あたしの異世界での家なんだなぁ」

美穂は、ぽつりと呟いた。


『そうですね』

イナリが微笑む。


「これからも、よろしくね。イナリさま」

「はい。こちらこそ」


美穂は空を見上げる――。

異世界に来てから、まだそれほど時間は経っていない。


けれど――。

この場所で、たくさんのものが始まった。


そして、これからも。

まだ知らないものが、きっと待っている。


「さて!」

美穂が立ち上がる。

「次は何を作ろうかな!」


フロリィが笑う。

「また何か始めるんですか?」

「もちろん!」


イナリも微笑む。

「美穂ですからね」

「それ、どういう意味!?」


三人の声が、稲荷庵に響く。

田んぼから始まった、異世界での最初の一年。


その物語は――。

まだ、始まったばかりだった。

読んでくれてありがとうございます!

毎日【18時20分】に投稿してます。

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― 新着の感想 ―
お米に合うおかず作りもありますね
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