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第三百十七話 レッキングブレイブたちに倒された時よりも強化されてるって訳だ。あの時の最終形態に比べておおよそだが数倍ほどか?

連続更新中。

楽しんでいただければ幸いです。



 黒龍種アスタロト。レッキングブレイブ劇場版のラスボス。あの作品の戦いでも相当に強かったから、更に強化された今は俺でも勝てるかどうか怪しい相手だろう。


 何しろこの世界のラスボスというか、邪神の残滓を倒そうって考える奴だ。その支配か契約かは知らないけど、それを覆せるだけの力は有してるって事だよな。


「レッキングブレイブたちに倒された時よりも強化されてるって訳だ。あの時の最終形態に比べておおよそだが数倍ほどか?」


「わらわの事を知っておるのか? わらわの知らぬブレイブである事といい、なかなか楽しめそうな奴じゃな」


「お前が実験と称して各地で暴れ回ってなけりゃ、ここで一旦手を組んで邪神の残滓を倒すって選択肢もあったんだが」


「なかなか面白い提案じゃが、わらわが受け入れる道理が無かろう。大体お主は邪神の残滓の正体を知らぬのであろう」


「・・・・・男爵だろ? 今は別の名を名乗っているみたいだけど」


 黒龍種アスタロトの表情が変わった。どうやらビンゴの様だな。


「どこでそれを知ったのじゃ?」


「今までの手口。それといろいろな状況を計算に入れて導き出した答えさ。奴の目的ももう大体予想している。そりゃ世界を滅ぼす事を存在意義にしてるお前にゃ受け入れられないよな」


「いったい何者なのじゃ? そこまで知っておるとは……」


「お前の知らないブレイブさ。真魔獣(ディボティア)はあのクソ女の手駒だろうが、ナイトメアゴートや南方の魔怪種幹部どももお前の指金だな? ナイトメアゴートとかはともかく、南方のアレはあのクソ女の方針に反するんじゃないのか?」


「その通りじゃな。南方で既にわらわとあ奴とは敵対していたのじゃ。いつまでもあの女の言いなりになどなっておれるか」


 邪神の残滓はそれを承知でこいつを放置していたのか?


 計画に邪魔だったら誰であろうと排除しそうな奴だけど。


「あのクソ女を倒すまでという条件で手を組めそうな気がするが。そっちにその気はないよな?」


「わらわをよく理解しておるようじゃな。お主をここで葬り、あのクソ女も同じ様に葬ってくれる」


「そうか。では、今度こそ戦闘開始だな!!」


 あれだけの爆発で無傷という事は超が付くほど強力なシールドかなにかを持っているという事だ。


 生半可な攻撃ではおそらく傷ひとつ付けられないだろう。となると。


無衝炎斬(ブレイズ)!! 幻影輪舞(シャドウ)!!」


 (ヴリル)で作り出した分身で攻撃するミラージュブレイブの必殺技のひとつ。今回は分身を五体生み出してみた。ここからいろんな技に繋げていくんだけど、俺の場合はまた一味違う使い方が出来るんだよな。


「これはミラージュブレイブの!! 貴様なぜこの技を使えるのじゃ!!」


「何故かな? ひぃぃぃっさぁぁぁぁっ、ラァァァイジィィィング、ブレイクッ」


 俺と同じように五体の分身も同じ技のモーションに入るが、当然その手には全員同じ様にこの剣を握っている。


 六本の拘束用の雷が黒龍種アスタロトを縛り、そして全身を包み込むように牢獄型多重絶対防盾カルケル・スゥクトゥマが展開した。


「マァァァァァァキィシマム・バァスタァァァァァァァァァァ!!」


 すべてを破壊する七色の雷が六本立て続けに黒龍種アスタロトを貫き、そしてまばゆい光と共に爆散した。


 アルティメットブレイブを除いたオールブレイブクラッシュとほぼ同等か、それ以上の威力がある筈だけど……。どうだ?


「フハハハハッ。戦いはこうでなくては面白くないのじゃ!!」


「アレを喰らってほぼノーダメージだと!!」


「あの蟻に比べればよくやる方なのじゃ。あの蟻も自爆してあの程度では話にならんのじゃが」


「ここにいるのが俺でよかったぜ」


 はっきり言って戦闘経験を積んでいないレッキングブレイブではこいつに勝てないし、真・迅雷フォームのライジングブレイブでもおそらくこいつに勝つのは不可能だ。


 三人全員揃っててもかなり苦戦するだろうし、それでも確実に勝てる保証はなさそうだ。それにアツキサトに誰も残さなければ絶対にあのクソ女が嫌がらせの攻撃を仕掛けてくる筈。だからここに三人揃うという過程は成り立たない。


「今ので最後か? では次はこちらから行くのじゃ」


「マキシマムリフレクト!!」


「わらわの攻撃を反射するじゃと!! そんな真似を!!」


「アルティメットリッパー!!」


 分身はさっきのライジングブレイクを放った時点で消滅したから、今回は俺一人の攻撃だ。


 攻撃を反射した後の隙をついたとはいえ、こんな技が牽制になるとは思っても無いけどな。


「よく斬れそうな技じゃが、わらわには通じぬ。それはおそらくお主も承知の上じゃろう?」


「でたらめな奴だ。これでも割と幹部クラスまで倒せる技なんだぜ」


「あのような下等種がいくら強化されようとわらわの足元にも及ばぬ。奴らなどこのような児戯で倒される存在にすぎぬのじゃ」


 幹部連中も倒せるけど、相性次第なんだよな。斬撃系にめっぽう強い奴なんかはこれをはじき返すだろうし。


「神加速!!」


「高速移動か? 速さは力じゃが、速いだけでは意味がないのじゃぞ」


「超高速バーニングナックル!!」


 神加速で超高速状態になって、そのままの状態でぶちかますバーニングナックル。ベーシス状態のアルティメットクラッシュよりも強力な筈だけど。どうだ?


「わらわの身体に傷を付けるとは大した攻撃じゃ」


「これでも拳大の傷が精々か。恐ろしいほどの防御力だな」


 分身からのライジングブレイクで倒せなかった時点でかなり厳しいと思っていたけど、もしかしてこのままマキシマムフォームで戦っても勝ち目がない?


 黒龍種アスタロトも強化されてると思ったけど、まさかここまでとは思わなかった。


「お主はよく頑張った。じゃが、これで終わりじゃ!!」


「反射しきれない!! これだけ高出力の光線をこんなに長時間……」


「トドメじゃ!!」


「神加速!!」


 超高速でかろうじて光線の線上から逃れ、少し距離を取ったがこの辺りが限界だ。


 ヤバい。本気でヤバいぜ。


「お主にはもう打つ手が無かろう。おとなしく滅びを受け入れるがよい」


「冗談きついぜ。この胸に勇気の輝きがある限り、最後の最後まで諦めはしない。まだ奥の手もある……」


 使えるかどうかはわからないけどな。っていうか、発動してる手応えは無い。


「往生際が悪いの。諦めてここで一人滅びるがよいのじゃ」


「そいつはどうかな?」


「誰じゃ!!」


 え? 今の声は雷牙(らいが)


 嘘だろ? まさかアツキサトを守らずにここに来たって言うのか? 俺の力で呼んだにしてもタイミングが早すぎる。


「まさかお前がこんなところで復活しているとはな」


「だが」


「最後にかならず悪は滅びるのさ」


 レッキングブレイブ!! ファイティングブレイブ!! それにサムライブレイブまで!! いや……まさか、あの影の数って、アルティメットブレイブ以外の九人全員いるのか? しかもそれぞれ全員最終フォームで……。


「集まりおったか忌々しきブレイブども!! この男を囮にして今までどこかに隠れておったのか!!」


「違う。俺たちは呼ばれてここに来たのさ。貴様を倒す間だけな」


「この時空を超える扉で一時的にここにいるにすぎん。だが、貴様だけはここで滅ぼす!!」


「マキシマムフォームの最終手段、召喚の扉。まさか効果を発揮するとは思わなかった」


 本来は各地に散らばったブレイブを召喚する為の手段。本人を呼ぶ方法と分身を作り出す方法の二つあるんだけど……。


「おう、そこのブレイブ。誰だか知らんがこの程度でへばってんじゃねえぞ!!」


「ふふっ、本物だけど本人じゃないってか。いや、どっちが本物かなんて関係ないな」


 このブレイブたちは本物。しかし、別の並行世界から来た本物で別人のようだ。


 この世界に来ている雷牙(らいが)とは違うけど、人間的に丸くならなければあんな感じなんだろうね。


「立ち上がる元気はあるみたいだな。あいつらが攻撃している間に体制を整えろ」


「こうしてみると必殺技の応酬って凄まじいな」


 シャイニングブレイブやバーニングブレイブの連携技。俺があれだけやっても殆ど傷付かなかった黒龍種アスタロトの身体にダメージを与えている。やっぱり本物はすげえな。


「あれだけぶち込んで倒せない相手だ。アレしかないだろう?」


「アレか。アレを仕掛ける時にはその光のリングを通過してくれ、それじゃあ行くぞ」


 ずいぶん前にもこいつと同じやり取りをしたぞ。この世界に来たあいつとな。


「スゥクトゥマ・ホールド!!」


 超巨大な光の輪が八枚展開され、その一枚が黒龍種アスタロトの動きを封じた。アレは相当に強力な拘束効果があるのに、抵抗して破壊しようとしてやがる。


「行くぞ!!」


「ひぃぃぃっさぁぁぁぁっ!!」


「「「「「「「「「「オールブレイブクラッシュ!!」」」」」」」」」」


「あ、有り得んのじゃぁぁぁぁぁ!!」


 光の粒子を纏った十のブレイブ。その最大の攻撃力を誇る最強の必殺技クラッシュ。


 高濃度の神力(プラーナ)が黒龍種アスタロトの身体を分解し、浄化された光の粒子へと変えてゆく。そして全員のクラッシュが身体を貫いたあと、まばゆい光を纏って爆散した!!


「黒龍種アスタロトの最後か……」


「もうこれで復活しないだろう。お、俺たちはここまでの様だな」


「誰だか知らんがそこのブレイブ。この世界はお前が守るんだぞ」


「ふっ。この世界のあんたが聞いたら驚くぜ」


「おい!! この世界にも俺がいるって……」


 最後まで騒々しかった別の世界の雷牙(らいが)が光の扉をくぐって元の世界に戻り、破壊の限りを尽くされた王城前で俺はひとり残された。


 まさか並行世界のあいつらが来てくれるとはな。これもワールドリンカーの力か?


「ありがとう。もう会う事は無い別の世界のブレイブたち」


 最後の最後に力を借りちまったな。


 何が俺一人でなんとかするだ。結局は仲間の力を借りてやっと倒せたんじゃねえか。くそっ。しかしここでアルティメットフォームになる訳にはいかない。


「とりあえず王族の確保。その後は……」


 邪神の残滓がいた時は戦うしかない。


 もしいなければ体力を回復させてリベンジだ。


 今度こそ俺の力で奴を倒してみせる!!




読んでいただきましてありがとうございます。

誤字報告ありがとうございます。とても助かっています。

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[気になる点] ?カロンドロ男爵が残滓ってことです?
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