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第百六話 おお、今日の昼はヴィルナが作る番だったか。楽しみにしてるよ

連続更新中。

楽しんでいただければ幸いです。



 今日は朝からアイテムボックス内の確認というか在庫状況なんかを調べてみたが、この世界の金であるシェルもそうだけど、現在寿買(じゅかい)で使う為にアイテムボックスに突っ込んである金に関してはもう幾らあるか見当もつかない。


 というのも、プラントで生産した原材料をファクトリーサービスで加工して商品にして売ってるみたいだけど、向こうとは時間の流れが相当違うから売り上げがどんどんアイテムボックスの残高に追加されてるみたいだ。


【基本的な時空時差はこの世界基準の二週間で大体プラントやファクトリーサービスで一年程度ですが、プラントで必要な原材料を確保する為に若干時空時差を調整する場合もあります】


 なにそれ? 誰かがそのあたり調整してるの?


 というか原材料の確保って何? かなり広大なプラントがあるはずだよな?


【全ワールド規模で考えますと微々たる規模です。鉱石採集用小惑星の他に農作物製造小惑星の開発権も入手可能ですが……】


 ……こいつ、俺をどうしたいんだ? 購入費用はこいつが稼いできた金だから文句はないけど、チャージされてる金の残高ってそろそろ兆に届くよな?


【先日突破しました。高速で残高のカウンターが更新されていますので視認は難しいかもしれませんが】


 画面を脳内に出してるから目で確認なんてできねえよ!! 意識集中してもたまに数字が見える程度だぞ、あれ。


 最近は寿買(じゅかい)で買い物をする機会も減ったけど、購入資金が足りないって事はまずなくなったからな……。


【農作物製造小惑星の開発権はどうされますか?】


 幾らだよ? 聞いてくるって事は払える額なんだろう?


【大特価で二千億円となっております】


 安くねえよ!!


【この開発権には惑星開発用のプラントやファクトリーサービスが付属しておりますので大変お得です】


 小惑星一つ分の資源と農作物か……。どの規模に成長するのかは知らないけど、こいつが薦めてくるって事は何かに必要なんだろうな。


 俺のこの能力を利用してなんとなく他の世界でいろいろやってる気がするし。


【世界平和への協力感謝しております】


 こっちにとばっちりが来ないんだったらいいよ。とりあえず承認。


【承認されましたのでいつも通り常識の範囲内で活動します】


 こいつの常識は俺の非常識な可能性があるけど、少なくとも世界を破滅させたりしないだろ。


 そんな事より、問題は現実に起きてる方なんだよな……。ん? ドアをノックしてるって事はヴィルナかな?


「ソウマ、昼ごはんが出来たのじゃ。前よりはうまくできたはずなのじゃが」


「おお、今日の昼はヴィルナが作る番だったね。楽しみにしてるよ」


 最近ヴィルナが昼御飯だけ作るようになった。


 寒い冬だと朝は弱くて起きられないので、昼飯だけは作りたいといってきたので二日に一回くらいの頻度で作り始めたんだけど、最初の頃はかなり苦労した気がするな……。


「肉野菜炒めと炒り卵。ご飯は魔導炊飯器で炊いた白飯なのじゃ。汁物は朝の味噌汁を温め直しただけなのじゃが……」


「全然問題ないぞ。専用のフライパンを買ったけど、アレでよかったかな?」


「貰ったフライパンのセットは使いやすくてよいのじゃ。ソウマが使っておる鉄鍋はわらわが使うにしてはいろいろ面倒なのじゃよ」


 いやな予感がしたので焦げ付かないタイプのフライパンや鍋のセットをヴィルナに渡してある。


 最初は鉄鍋が欲しいっていったんだけど、使う前の下準備と手入れ方法を教えたらこっちのフライパンを選んだんだよな……。ある意味正解だと思うよ。


「美味しいよ。こういった料理の方が落ち着くというか、家庭の味って感じでいいよな~」


「ソウマの様な手のかかる料理は出来ぬが、少しずつ作れるようになりたいのじゃ」


「それでいいと思うよ。炒り卵もいろんな料理に使えるし、こうして単品でもおかずになるしね」


 炒り卵の状態からして多分元々はプレーンオムレツを作るつもりだったんだろうけど、そこには突っ込まない。食べられる料理に文句は言わない。


 味付けに関しては市販の調味料をいくつか渡してあるし、単純な料理しか作れないけど味付けは間違えないし、料理を作るのに向いてない訳じゃないんだよな。


 こうしてテーブルに並べる前にキッチリ味見してるみたいだから、最初の時みたいに酷い味付けの時はもうない。大体酷かったのは最初の一回だけで、次からは味見をしながら調整して食べれるレベルで出すようになったし。


「ありがとうなのじゃ。煮込み料理もいいのじゃが、簡単そうに見えたあれが意外に難しいのじゃ」


「後で調整が効く料理も多いけど、火加減とかが面倒な料理も多いからな。レパートリーは少しずつ増やしていけばいいよ」


「今まで家事は任せっきりだったのでな。ソウマの妻として恥ずかしくないレベルまで腕をあげたいのじゃ。結婚はまだしておらぬがの」


「結婚するのはとりあえずあの竜を倒してこの町の安全が確認できたくらいかな? あの竜が姿を現さなければ春先辺りを考えてるんだけど」


 結婚するんだったら五月か六月だよな。


 大体ヴィルナは寒いのが嫌いだから外に出たがらないし、教会で式を挙げる風習もあるみたいだけどそのあたりも調べなきゃならないしね。


「ソウマの事を信じておるしわらわもそこまで急いでおらぬが、()()()の輩が後を絶たぬであろう?」


「書状を送り付けてきて直接押しかけてこない場合は、全員断りの手紙を書いてるけどな」


「直接押しかけてくる者も数日置きじゃが、意外に聞き分けの良い者が多くて助かるのじゃ」


「エヴェリーナ姫が先に結婚の話を持ち掛けてくれてたので助かってるよ。まさか王族を押しのけて強引に結婚話を進める訳にもいかないだろ? 貴族連中や商会関係者も事情を話せばすんなり納得してくれるしね」


「その点ではあの小娘に感謝せねばならぬの。で、あの小娘の話を受けるつもりではないのじゃろうな」


 この世界では結婚できる歳かもしれないけどさ、一回り年下の子をどうこうってのはないよな……。


 ヴィルナに手を出してるとはいえ、俺はロリコンじゃないぞ。手を出してきたのはヴィルナの方からだし……。


「ヴィルナと一緒にいる限りはあり得ないね。元の世界は重婚が無かったしな。浮気する奴は割といたっぽいけど」


「魅力的なオスにメスが集まるのは生き物の習性のようなものじゃからな。じゃからといって他の者にソウマを渡すつもりはないが」


「料理を始めたのもその為なのか?」


「全部ソウマに任せきりは悪いのじゃ。それに毎日寝てばかりではソウマに愛想をつかされるかもしれぬのでな」


 使った後でキッチンはちゃんと掃除して綺麗にしてるし、使った調理器具も所定の場所に戻してある。ヴィルナは何故かアイテムボックスの中に入れないんだよね……。


 最初の一回以外はきちんと食べられるものを出し始めたからな……。数回はちょっと我慢が必要だったけど。


「この世界に来て最初にあったのがヴィルナだったけど、アレがホントに何かの縁というか偶然以外の産物だったと思うんだよな」


「あの日、久し振りに町に向かおうと思っておらなんだら、ソウマに出会う事は無かったからの」


「面倒事は増えたけど、町で暮らすのはいいだろ? 住んでたっていう洞窟は興味あるけど」


「春になったら行ってみるのも面白いかもしれぬの」


「やっぱりそれまでは家に引きこもり生活なのか……。本当に寒いのが苦手なんだな」


 一月過ぎても雪すら降らないのに、ほんと寒さに弱いんだよね……。


 この辺りって何月くらいまで寒いのかな?


 とりあえず、外で鳴きまくってる猫が何処かに行く頃なのか……。




読んでいただきましてありがとうございます。

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