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いく先々で
ほんの少しの傾斜があれば、どこまでも滑り落ちて行きます。道中、すれ違う人々に違和感はないようです。誰かが1人でも気付いてくれるまでが勝負です。若くて野心のあるうちに私の袖を引っ張ってくれたらなぁと思い巡らします。死んで灰になっても気付かれなかったら、実はそういうことの方が多いのですが、やっぱり悲しいです。今年はとても雪が降ります。降れば降るほど、己の無力さが感じられ、余計に寒さが身に応えます。しかし、心だけは痒いのです。痒くて痒くて、爪を立てて掻き毟るので、いつもえぐれた跡を残しています。根山さんも、きっと、私と同じだと信じて、何とかやって行こうと思います。