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可愛い年下のツンデレ義姉と美人な年上の厨二病義妹とのカオスな日常  作者: 夢達磨


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6/6

4日目 俺と、とある1日


「お疲れ様でしたー」


 今日は朝の5時から、イベント会場の設営の日雇いバイトをやっていて、ちょうど終わったところだ。今は昼の13時。暑すぎるわけだ。


「柴田君は初日なのに手際もいいしすごく助かったよ。こういった仕事はやっていたの?」


 俺にそう言ってきたのは、ここの責任者の田中さん。顎髭を蓄えた頼もしいおいちゃんだ。


「いえ、イベントの設営は初めてですよ。田中さんの教え方が上手いだけっすよ」

「あはは! そうかそうか。君さえ良かったらこのままうちで……」


 何かを言っていたが、既にお給料はいただいているので、気にせずに帰りの支度を済ませ、「じゃあお疲れっしたー。お先に失礼しまーす」と言って駐輪場へと歩き出した。


「ちょっとぉぉぉっ!?」と背後から、田中さんの叫び声が聞こえたが気にしない。だって俺たちは……数時間だけの関係なのだから。


 そう言えば昨日、『明日ママ、お昼いないから駿ちゃん。みんなのお昼ご飯よろしくね』ってお母さんに言われたな。近くのスーパーに寄って帰るか。


 スーパーに行こうと思っていたのだが、俺の目に1つの建物が目に留まる。


 おー。でっけぇデパートだな。たまにはこういったところで買い物するか。


 ふーん。ここが『笑門福来デパート』か。テレビでよく聞く名前だ。


 広い店内を30分ほど見て回った。俺が印象に残ったのは精肉店の『ジャストミート』というお店で、ランクが高いお肉を置いてあった。牛バラ100gで475円。俺たち家族分買ったらいくらになるのだろうか。考えただけで恐ろしい。


 もう1つは『デザートデパート』で、1万を超えていたが、デパートの形をしたケーキがあった。オプションでチョコでできた看板に文字を入れることができるらしい。他にもショートケーキやカタラーナなど、スイーツの種類も豊富だった。


 よし、決めた。今日のお昼は数種類のパスタにしよう。ミートソースにカルボナーラ、たらこの3種類を作ればいいだろう。もう一品でポテサラにして、デザートはさっきのところで買っていこう!


 こうして買い物を済ませた俺は、お店を後にした。


 帰りの途中の出来事。笑門福来大学付近の公園にて。


「俺たちのことを知らないだと!?」と聞き覚えのある叫び声が聞こえてきた。


 声の方向を見るとそこには、夏合宿の会議の時にいたマッチョマンたちが、2人の小さい子どもと一緒にいた。


 あいつら、あんな小さい子に何してんだ? 


 できればあいつらとは関わりたくはないが、さすがに助けに入った方がいいよな。


 俺は自転車を停めて、近くの木の影に潜んで様子を見ることにした。この距離なら奴らの声も聞こえる。


「「俺たちは! 泣く子もちびる『蹴投走打剣拳団』!」」とポーズを決めた。


 後ろ姿で分からないが、多分泣いている子どもは泣いると思う。


「兄貴! あれじゃないっすか!」と隣のバネが指を差しながら言うと、大和は「あー。なるほどな。よし、俺らに任せとけ」と言い切った。


 俺も指先見ると、大木の上にサッカーボールがあるのが見えた。ボールは子どもの物で、友達とボールを蹴って遊んでたら木に引っかかって落ちなくて泣いていたのか。俺はてっきりあいつらが泣かせたのかと思ったぜ。


 さて、どうやってボールを取るのか見ものだな。


「おらぁっ!」と声を上げて張り手をかます大和だが、ボールが落ちる気配はない。確かに木は大きく揺れていた。しかし、腹切枝にすっぽりハマっているから、横の力ではなく縦の力を使ってやらないと無理だ。長い棒で下から突くとかな。流石に大学生なんだし、それくらいは分かるよな? 


「オラオラオラオラオラオラッッ!!!」と言いながら、大和は張り手を辞めない。脳筋かよ! 


「俺に任せとけ!」と言いだしたのは、サッカー担当のマル。その男は近くにあったレンガブロックでリフティングを始めた。上手いけど痛そう。


(あのレンガブロックを上手く当てて落とすつもりか)


「行くぜ! オラァッ!」といいながら、マルはそのレンガブロックごと大木に蹴りつけて、『ガシャンッ!』とブロックが砕ける音を響かせた。


「なんでだーっ!」と思わず叫んでしまった。


「お? なんだ? 誰かいるのか?」と大和がこちらを疑う。俺は口を抑えながら少し移動した。


「くっそぉ! 落ちねぇ。俺の『岩石砕き』でも落ちねぇとは。やるねぇ」とマルは大木を称賛した。


「大和の兄貴……」とバネは力な聞こえで呟く。「どうしたんだ?」と大和は聞く。


「兄貴が俺を上まで投げてください! そしたら俺がボールを取るっす!」


「ーーそれはダメだバネさん! 俺は……俺は……仲間を投げることなんかできねぇよ!」


「俺は……大和の兄貴だから信頼してるんす。兄貴は砲丸投げの大会で、優勝できるほどの実力っす。だから自分を信じて俺を投げてくだせぇ……」


 バネの言葉で周りは涙を流し始めた。あいつ……自分を犠牲にしてまで……。


「うおおぉっ! すまねぇ! すまねぇバネさん! 行くぜぇぇ!」と言いながら胸ぐらを掴むと、「くたばりやがれぇぇ!!!」と言って投げ飛ばした。


 飛ばされた彼の表情はとても爽やかだった。バネさん……あんたの漢気には参ったよ。子どものために動けるあいつらは、俺とは違って根はいいやつなのかもしれんな。


「良かったな。坊主。もう飛ばすんじゃねーぞ」と大和は2人の子どもを高く掲げた。子どもたちも「ありがとうお兄さんたち」とお礼を言った。


 こうして、ボールが子どもの元に戻り、一件落着となった。

 大和たちは子どもたちと別れて公園から姿を消した。俺も帰ってお昼を作らなきゃな。



「兄貴ー! 誰かー! 助けてくだせぇぇっ! ここから降りられないっすぅぅ!」


 そして数時間が経ち帰り着いた俺は、お昼ご飯をみんなに振る舞っていた。


「駿君が作るご飯も美味しいですね〜」と、優香さんが褒めてくれた。


「ありがとうございます。でもまだまだです」

「真実ちゃんに比べたらまだまだだか、まあ及第点と言ったところだろう。まこちゃんは、優香ちゃんのご飯も食べたいなぁ?」と親父が偉そうに言う。


「お母さんが帰ってきたら報告だな」と俺が言うと、親父はドヤ顔で「はーい! 俺が言った証拠はありませーん! はーいざんねーん!」と言った。


 俺が「兄貴」と一言。


「任せとけ。ちゃんと録音してある」と兄貴は言って、先ほどの音声を流した。


「悪ノリして悪かったぁ。許してくれぇぇ」と親父は血相を変えて言った。


 兄貴は親指と人差し指で、円を作って「ほら。分かってるだろ?」と親父に向かって言った。


 その場にいた人に親父は口止め料として1000円ずつ払った。


 颯太は映画を見に行っていたみたいだが、陽菜ちゃんはどうしたんだろう。俺は兄貴に聞いてみることにした。


「なぁ、兄貴。陽菜ちゃんはどうしたんだ? お昼ご飯食べないのか?」

「陽菜ちゃんなら部屋で勉強中だ。呼んでくる」

「あぁ、分かった」


 兄貴は二階へ上がって行くと、優香さんが話しかけてきた。


「駿君ご馳走様でしたぁ。食器洗うよぉ」

「お気遣いありがとうございます。でも大丈夫ですよ。たまには俺もやらないと」と笑顔で答えた。優香さんは申し訳なさそうにしていたけど。


 俺はテーブルの近くにあるリクライニングソファーの右側に座る。


 そして、兄貴は陽菜ちゃんを連れて戻ってきた。

 

 お皿は俺が座っているソファーの左側にあるのだが、陽菜ちゃんは俺を凝視して、恥ずかしくなったのか、お皿を持ってダイニングテーブルに持っていって食べた。



 その日の20時頃。兄貴がリビングで陽菜ちゃんの勉強を見ていた。


「そろそろ休憩する?」と兄貴は優しく問いかけると、陽菜ちゃんは「いえ、大丈夫です。まだやれます!」と力強く答えた。


 今の教科は国語の読み取り問題か。陽菜ちゃんは

特に、登場人物の気持ちを読み取って答える問題が苦手らしい。長い文章を読むのも面倒臭いし、その中から、たった3文字を見つけろって言われても、点数が労力に合わないから俺は嫌いだな。


「主人公はプレゼントを受け取った時に、どんな気持ちになったと思う?」

「ただのクラスメイトだから、迷惑だと思った!」


 陽菜ちゃんの回答に兄貴は頭を掻いて「うーん。なんて説明すればいいんだろうなぁ」と言った。


「違うんですか?」

「その迷惑だと思ったは、陽菜ちゃんの感想でしょ? この問題は文章内で、主人公の気持ちが表れている文を見つけてねってことだよ?」と優しく答えた。


 陽菜ちゃんは小さく頷いた。やっぱり兄貴の説明は分かりやすい。


「駿ちゃーん! お風呂空いたわよー!」とお母さんが俺に呼びかけた。


 俺は「分かったー!」と言ってお風呂場に向かった。

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