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「“跡取り”のはずが、ただの使用人だった」  作者: もり


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無知

お腹壊して寝てました。

たぬきは、自分の居場所がなくなり始めてかなり焦っていた。


今どき——アドレス帳を持ち歩いている。


しかも、携帯に電話がかかってきても誰だかわからない。


毎回、番号を見ながら首を傾げている。


それを何とか覚えようとしていたが——


たぬきの頭脳では無理だった。


そこで頼ったのが、俺のシスター三月。


そう、みゆきの娘であり、たぬきの孫だ。


「三月〜、電話帳に職人の名前入れてくれ〜」


すると三月。


「一件100円ね〜」


……さすがである。


血は争えない。


だが、たぬきも超がつくほどケチだ。


結局——断念。


そして次。


パソコン。


もちろん使えない。


メールが来ても開けない。


毎日、俺に聞いてくる。


「誰かからメール来てないか?」


……めんどくさい。


なので俺は最近、朝事務所に寄らず現場直行している。


すると事務所では——


メールを開けないたぬきが、一人でイライラしているらしい。


さらに最近の敵は——AI。


三月が言う。


「そんなのAIに聞けばすぐわかるよ」


すると、たぬき。


プライドだけは高い。


「おう、そうだな」


「えーえーえーえー、AIに聞いてみるよ」


……そして、みゆきに聞いている。


結局、人力である。


たぬきは、このご時世——


人間になることを諦めた。


ずっと、たぬきのままでいる。


だから最近は、職場でも家庭でも居場所がなくなってきていた。

今日も読んで頂きありがとうございました。


評価、ブクマよろしくお願い致します。

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