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ラッキースケベが思ってたのと違う ~ハーレムのはずが世界を巻き込む能力だった~  作者: 那須 儒一
15章 公国編

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第179話 同盟?

アーサーの援軍に向かうべく、北東の橋を目指す。


久々にかつての仲間が揃ったというのに、ぎこちない空気が流れていた。


「ネコショウとリザリーも久しいな……二人とも元気そうでよかったよ」

アグリアスが気を回して話を振る。


「アグリアスさんもお元気そうで……」

ネコショウが返事をするが会話が続かない。


「妾は……すまない」

リザリーは気まずそうに目を伏せる。


「リザリー、お前は自分の決めた道を進んだんだろ。なら、別に責めやしないよ。

……でも、ネコショウは渡さないからな」


俺は、リザリーに向き直り断言する。


「まさか、お前たちが結婚までしていたとはな。

ネコショウ、言ってくれればよかったのに」

リザリーはネコショウに視線を向ける。


「すみません。リザリー様……どうしても言い出せなくて」

ネコショウは申し訳なさそうに視線を落とした。

尻尾だけが、落ち着かないように揺れている。


「ねぇねぇ、さっきの魔王とのやり取りを聞く限り、リザリーを人質に取ってネコショウちゃんを引き入れたみたいだけど、ちゃんと説明してくれないかしら。リョウカさんも気になっているだろうし」


ミザリアの言う通りだ。

俺も経緯を知りたい。  


「ネコショウ……説明してくれ」


俺の言葉にネコショウが話し始める。


「リョウカ様が封印された後、いったん皆さんを本国まで送り届けました。

……その時、あの男が現れました」


「魔王様ね」


リザリーの言葉にネコショウは頷く。


「七幹部になれと言われました。断ればリザリー様を殺すと……」


……大体、想像していた通りだ。


「リザリーはどうしてあんな奴に忠義を尽くす?」

アグリアスが核心を突く。


「百年前……今の魔王様がいなければ、人間も魔族も……この世界そのものが滅んでいたかもしれない」


リザリーが意味深な言葉をこぼす。


「どういうことだ?」

確か、前の魔王をタカミヤが倒したって言ってたな。


リザリーが続きを話そうとしたところで、

北東の空に雷が閃く。


「続きは後だ。皆、向かうぞ!」

アグリアスを筆頭に俺たちは走り出す。



――雷鳴が轟く。


戦場では、閃光が意思を持つかのようにアーサーへ襲いかかる。


アーサーは大剣を異常な速度で振るい、いなしていた。


やがて、雷は攻めるのをやめ、眩い稲光が収まる。


そこには、跳ねたブロンドの軽装の女性が立っていた。


手には、雷を歪な形に固めたような剣が握られている


「サテナ殿。まだやるのか?」

淡々と尋ねるアーサーに対して、目の前の女性は激情を燃やしている。


「当たり前だ!

あの時は邪魔が入ったからな。今回は思う存分にやれる!」

サテナと呼ばれた女性は、狂気じみた笑みを浮かべ再びアーサーに斬りかかる。


アーサーは俺たちに気づくと声を上げる。

「リザリーくん。どうやら、他の四大貴族が同盟を組んでヴァレンタイン公を潰しにきている。

サテナ殿が連れてきた大隊が西に迂回して城へ向かった。

ここは私に任せて、そちらを止めてくれ」


「承知致しました」

リザリーがアーサーに頭を下げると、俺たちにも目配せする。


アーサーは軽々と捌いている。


だが――


速すぎる。


何が起きているのか、目で追えない。


次の瞬間、雷鳴が遅れて轟いた。


サテナの斬撃が、既にアーサーの背後を通り抜けている。


アグリアスが下唇を噛み締めている。


アーサーはかつて、バルフォネア王国の騎士団長。

アグリアスはその副団長だった。


そして――剣の師でもある。


その男に、今の自分では共闘すら許されない。


悔しさか。

それとも、道を違えた師への怒りか。

アグリアスは何も言わない。


「アグリアスさん……行きましょう」

ミザリアがアグリアスの肩を優しく抱く。


「サテナ……」

アリサはアリサで、目の前の敵を知っているのか、言葉をこぼす。



俺たちは東に向かったとされる大隊を止めるべく、進軍する。


「アリサちゃんって、ライザルド公国の師団長だったんだよな。

あの、サテナって人も知り合いか?」


アリサは足は止めずに、俺の質問に答える。


「ええ……約三年前、私たちはバルフォネア王国に進軍したの。その師団は元々、バルメトロ・ライザルド大公の直属軍だった。

先の戦争でライザルド大公が戦死して師団は各四大貴族が吸収するって形で解体されたわ。

サテナは当時、第一師団の隊長を務めていた。

彼女以上の戦士は、ライザルド公国にいない」


「そんなにやばい奴なのか……」


「雷神サテナ……この国で何度も彼女の武勇を耳にしました。ゼウス神の加護を得ている英雄だと……」


ネコショウの説明でサテナの強さに納得がいった。


「もし、アーサーって奴の言う通り、ヴァレンタイン公以外の四大貴族が同盟を組んでるのなら、もう一人、厄介な奴がいるわ」


アリサの言葉に、嫌な予感が胸をよぎる。

その予感が、すぐに現実になるとも知らずに。


前方には濃霧が立ち込め、

その奥で黒い人影が蠢いていた。

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